Short Story

□守るために、戦う
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『争いは、嫌いよ』

そう呟いたのは、金吾と恋仲の絢乃

縁側に座って、金吾と虎若、団蔵の鍛練を見ている

「そうなの?」

『うん。私、くのいち向いてない』

「絢乃…」

絢乃の隣に座るのは、喜三太

へにゃり、と悲しそうな顔をする

「絢乃は金吾のどこに惹かれたの?」

『頑張ってるところ。いつも真っ直ぐ、曲がらない』

「うんうん。金吾、頑張り屋さんだもんねぇ〜」

今度は笑って相槌を打つ

話題の主は何も知らずに鍛練に勤しむ

『私、金吾が傷付くのは見たくない。でも、戦ってる時の金吾は格好良い』

矛盾してるよね、と目を伏せる絢乃

それとは正反対に、喜三太は鍛練中の3人を見る

「金吾は、守るために戦っているんだよ」

『??』

「金吾は、絢乃が思ってることなんてお見通しだよ」

鈍感なクセにね、と笑う

「絢乃が、僕達みんなの事を大切に思ってるのも、は組のみんなはちゃんと知ってるよ」

絢乃に諭すように言葉を紡ぐ

「だからみんな鍛練するんだよ。絢乃を、みんなを守るために」

『守る、ため…』

「そう。守るため」

絢乃は顔を上げ、金吾を見る

絢乃の視線に気付いた金吾が、笑っていた


守るために、戦う


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