long story

□待つ楽しみ
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『あ、滝ちゃん。外出許可出たよ』

「ほんとですか!?」

『うん。今度の週末、一日だけならいいって』

四年生長屋の縁側に座り、制服のほつれを縫っている滝ちゃん

きっと滝ちゃんは制服がほつれるなんてことないだろうから、それは喜八郎のだろう

私の報告に顔を綻ばせる滝ちゃんは、いつもは大人びているくせに幼く見えた

「ねぇ滝、何の話?」

『喜八郎、泥落としなさい』

「やってくださぁ〜い」

既に濡らされている手拭いを渡されたので、喜八郎の顔に付いた泥を拭う

全く、甘えたちゃんなんだから

喜八郎がこんなだから、滝ちゃんがどんどんお母さんみたいになるのね

『ほら、泥落ちたよ』

「なまえ先輩、」

『ん?』

「よかったですね、外出許可」

『うん…』

実は私、昼間に外出するなんて三年生の時以来

だから五年ぶりくらいになるのかな

夜の町を走り抜けたりすりことは何度もあったけど…

昼間の町なんて久しぶり過ぎて、浮かれちゃいそう

「では、今度の休みを楽しみにしておきます」

『うん。三木ちゃんとタカ丸君にも伝えておいてね』

ああ、休みになるのが楽しみなんて、すっごく懐かしい感覚だなぁ

早く休みにならないかな














あ…

どうしました?

休みに何を着ていけばいいの?

……忍たまの着物は大きさが合いませんよね

えー、でもなまえ先輩なら大丈夫だよ

四年か五年くらいなら入ると思うよ?

…では、その辺りから借りておきます










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