long story

□楽しみひとつ
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『………』

「?」

『綾ちゃん…?』

「なまえ先輩…?」

穴の中から首だけ出している子を見つけて

四年生の制服だったからもしや、と思っていたら

仙蔵の後輩の、綾ちゃんだった

「お久し振りです、なまえ先輩」

のそ、と穴から這い出て来る

その姿は、私の記憶の奥底にあるそれとは全く違って

驚きと戸惑いが隠せない

『勘ちゃん達もだけど…。綾ちゃん、大きくなったねぇ』

「なまえ先輩が小さい」

ぎゅう、と抱き着いて来る綾ちゃん

昔は私がぎゅうってしてたのに

「おい、喜八郎!! また保健委員が落ちてただろ!!」

『滝、ちゃん?』

「え…?」

次にやって来たのは、滝ちゃん

そう言えば、滝ちゃんは体育委員だったっけ

通りで、いい体つきになってる訳ね

あの小平太の暴君っぷりに付き合ってたのかぁ

「どうなさったんですか、こんな所で!?」

『滝ちゃんだぁ〜』

「質問に答えて下さいー!!」

綾ちゃんに滝ちゃん、2人とももう四年生なんだぁ

改めて自分の歳を実感するわね

『最近体調が良いから、学園内の外出許可が出たの』

「そうなんですか」

『ね、三木ちゃんは?』

「三木ヱ門ならあっちにいたと思いますけど…」

『よーし行くよ!!』

小平太じゃないけど、いけいけどんどーん!!

可愛い後輩の顔が早く見たいのよ!!


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