お題

□放課後ラブロマンス
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「…誰が絢歌を呼んだんだ」

ただでさえ目付きよくないのに、隈がいつもより酷いせいで更に怖い

文次郎に睨まれている後輩達がすごく可哀想

一応私の彼氏だけど

『みんなで私の所に来たのよ』

「何でお前なんかの…」

『テスト前なのに、可哀想でしょう?』

三木ヱ門を筆頭に、生徒会会計担当の左門・左吉・団蔵がやって来た

来週のテスト明けに予算会議があるから、それに向けて各委員会や部活との予算の調整をやる

でも、会計の子達は勉強をやりたいそうだ(団蔵以外は平均以上は出来るけど)

そんな勉強熱心な子達が、会計の仕事を手伝ってくれと私の元にやって来たのだ

『ほら、後は私がやるから。もういいわよ』

「すみません、ありがとうございます!!」

知ってるんだ、三木ヱ門が滝夜叉丸と勝負してるの

だから三木ヱ門には特に頑張って欲しいの

ぺこりと頭を下げ、会計委員室から出ていった4人

「ったく、お前は昔から甘過ぎる」

『あんたこそ。何百年経っても変わらないのね』

「それはこっちの台詞だ」

『変わらないのは、みんな同じじゃない』

ぱらぱらと、各委員会の予算案を見る

前年度の決算の内訳、昔とあまり変わっていない委員会もある

「ああ。風紀委員会がほぼ私的だし、体育委員会は小平太のせいだな」

『保健委員会は減らさないであげてちょうだい。保健室利用者の三割はかつての仲間よ』

「…主に俺と小平太と留三郎だからな」

なんだ、自覚してるんだ

分かってるなら、保健室に行かないといけなくなるほど喧嘩しなければいいのに

「絢歌は勉強いいのか?」

『私を誰だと思ってるの?』

「…そうだな」

三木ヱ門達には悪い言い方だけど、私は直前になって焦るような勉強の仕方はしないもの

それよりも私は文次郎の方が心配だけれど

「…余計なお世話だ」

『あら、私の心を読んだの?』

「あの時と同じだろ」

文次郎のクセに、読心術でも出来るのかしら

私達はもう、あの頃みたいな忍ではないのに

「…テストが終わったら、どっか行くか」

『!!』

「合ってるだろ?」

『…まぁ、ね』

数百年前は、私が言った言葉

覚えていてくれたんだ…

『早く終わらせるから。絶対約束守ってね』

「当たり前だ」

時代錯誤のようだけど、算盤を取り出して計算を始める

ああ、早くテスト終わらないかしら


放課後ラブロマンス




文次郎、終わったわ

!? 相変わらず早いな…

文次郎と出掛けられるなら、これくらい余裕よ

っ!? …どこに行くか考えておけ

ふふ、分かったわ








文次郎には似合わなそうなタイトル…
一応31文字のお話の転生だったり

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