お題

□御守り交換
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『うぁー…』

ヤバイ、本気でヤバイ

どうしよう、全然自信ないよ

って、試験前最後の模擬試験の後も言ってたなこれ

「絢歌、」

『さぶろぅ…』

公立後期試験本番

私達が受ける高校の正門前

「怖じ気づいたか?」

口角を上げ、ニヤリと笑う三郎

今日も今日とて意地の悪そうな顔だ

『怖じ気づいた訳じゃないけど…』

「何だ?」

『恐い…』

「それを怖じ気づいたって言うんだろ」

私の言葉に、ふぅと息を吐く三郎

白い息が、三郎には似合わない

「今まで、ずっと勉強してきただろう?」

『うん。でも…!!』

「でも、は聞かない。絶対合格だ」

私のおでこにデコピンをして、またニヤリと笑う

「雷蔵と一緒に高校行くんだろう?」

そうだ、今さら弱気になんてなっていられない

もう推薦で兵助は合格が決まっている

私達も、それに続かなくては

『分かった。私頑張るよ、三郎』

「よく言った、絢歌。そんなお前にエールを贈ろう」

そう言って取り出したのは御守り

皆で初詣に行った時に買ったものだ

「交換しよう。私のを持っていれば、きっとご利益があるぞ」

私の手に乗せられた御守り

確かに、勉強の出来る三郎の御守りはご利益ありそう

『じゃ、はい。三郎には私の』

ご利益ないと思うけど、と言って渡したら、確かになと返された

『じゃ、行こうか三郎』

前方に勘ちゃんを見つけた

私は勘ちゃんの方に歩く

絶対合格してやるんだから!!


御守り交換










三郎、僕の御守り返してよ〜

ああ、悪かったな、雷蔵

もう!! 三郎が僕の御守り持ってたせいで不合格だったらどうするのさ!!

いやぁ、悪い悪い。それで不合格だったら絢歌のせいだがな

?? 何か言った?

いいや、何も?




恋の力を信じてみる三郎
実質雷蔵と夢主が交換してます

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