お題

□新しい春へ
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階段を上って、普段なら鍵のかけられている扉を開く

鍵が開いているから、もう三郎か勘ちゃんはいるかな

「遅かったな、絢歌」

『あれ、ハチ? 孫兵は?』

屋上に1人でいたのは、予想外のハチ

私が聞くと、笑いながら校庭の隅を指差した

「またジュンコが逃げたらしくてな。忙しそうだからこっちに来た」

ジュンコを探す孫兵を、温かな瞳で見るハチ

『ハチ、ここの鍵どうしたの?』

「三郎に開けとけって渡された」

『三郎は? 勘ちゃんも』

「校長室。何か未処理の仕事があったらしい」

『へぇ、珍しいね〜』

何でも完璧にこなす三郎も、忘れたりするんだなぁ

「絢歌!!」

ふいに聞こえるハチの声

『??』

「卒業おめでとう!!」

気の早い桜が、風に吹かれて舞い上がる

そんな桜を背景に、満面の笑顔を浮かべるハチ

『ありがとう。ハチも、おめでとう』

「おう!!」

気の早い桜、入学式までもつのかな

ハチの背景にぴったり合ってるけど

「なぁ、絢歌」

『ん?』

「高校でもよろしくな!!」

『うん!!』

大勢の仲間達との別れは寂しい

けど、私の仲間は皆同じ高校に進学する

高校生活も、楽しいといいなぁ


新しい春へ












ハチー

雷蔵、どうしたんだ?

何で絢歌と2人きりなのかな?

三郎が鍵渡して来たから…

僕の絢歌に、何もしてないよね?


ちょっと三郎

何だ、絢歌?

もしかして、わざと私とハチを2人きりにしたの?

ん? だってハチが面白いじゃないか





かなり気は早いけど、受験シリーズ完結です
受験なんて懐かしいです。。
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