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□その理由*
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「風間くーんあっそびましょ〜」

チャイムが鳴ってインターホンを覗くと想像通りしんのすけが居た。
昔から変わらないそいつに、僕も同じように無視を決め込んでインターホンを取らないで台所へ行き食器を出して紅茶の準備をした。
再度鳴るチャイムに眉間に皺が寄る。
絶対に出ないぞ!
固く心に決めながら湯を沸かした。

今日は日曜日でお出かけ中の母親が帰ってくるのは何時になるか分からない。
だから昼食とは別に夕飯の準備もしてくれていた。
それでも、足りない時は自分で何かを作ったりする。
それもいつもの事で、今日はお菓子があったのでそれを食べながら勉強しようと自室に引っ込む間際ちらりとインターホンを覗くと、蹲ったしんのすけがいた。
思わず足を止めて覗きこんでいると、痛いという言葉が聞こえてきて焦った。
騙されているのか本当に痛いのか、小さい画面からでは判断できない。
気になって気になって…部屋に戻ってからも頭から離れなくて、結局は玄関を開けてしまった。

「どこが痛いんだよ」

そう言って蹲るしんのすけを見下ろせば、ぴくっと身体を反応させたしんのすけがいきなり僕に抱きついて来て、思わず玄関に尻もちをついた。

「いった〜何すんだよしんのすけ!」
「風間くんやっぱり居たんだね」

あぁ、そうだよ悪いか!僕は真面目に勉強したいんだ。
でも、お前が来ると勉強が出来ない。
だから無視してたのに…結局は無視出来なくてこうなってしまう。

「大体出ない時点で帰れよ」
「絶対いると思ったんだよね。そう思ったら帰れる訳ないじゃない?」

そう言って満面の笑顔で僕を見てくるしんのすけに悪い気はしない。
というかむしろこの笑顔は好きだ。
絶対に口にはしないけど…
名前を呟くしんのすけの息が耳に掛ってぞわぞわとする。
僕の弱点を知るしんのすけは耳を甘噛して押し返そうとしていた僕の力を抜かせる。

「ホント感じやすいな〜トオルちゃんはぁ〜」

くすくす笑われて熱かった顔が更に熱くなる。

「も、やめろっしんのすけっ」
「じゃ、続きはお部屋でしよ〜か」
「するかっ!さっさとどけよ!」

残念だなぁっと言いながら身体を起こすが、靴をぽんぽんと脱いで僕の部屋にばたばたと入っていく。

「こらっしんのすけ!」

僕も慌てて後を追うと俺が入れた紅茶を啜りながら出したお菓子を食べ始める姿があった。
何でこうも素早いんだと思わずため息を漏らすと、しんのすけが僕を手招きする。

「…何だよ?」
「ほらほらトオルちゃんも座って座って」

ぽんぽんと自分の横を叩かれてふんと顔を逸らしながら、開いていた教科書がある自分の机に着いた。

「え〜何でぇ〜つれないなぁ風間くん」

後ろからお菓子を食べる音が聞こえながらも「じゃあさっさと帰れよ」って返す。

「い・や」
「ぬわぁああああ」

耳に息を吹きかけられて思わず身体を離すと、そのまま椅子から転げ落ちてまた尻を打ちつけてしまった。

「いったー…しんのすけの馬鹿!」

打ちつけた所を摩りながら睨むと、ずいっと顔を近づけたしんのすけがまじかに居た。

「ごめんね風間くん」
「い、いや…別にいいよ」

真剣な表情で言われたら強く怒れない。

「俺が打ったところ舐めてあげる」
「は?ちょっ!やめ…っっ」

いきなりズボンを素早く下されて後ろに向かされたと思ったら、お尻に生暖かい物を感じて思わず顔を伏せた。
ぺちゃぺちゃ聞こえるその音と感触に身体が震えた。

「も、だい、じょうぶだからやめ、ろって」

変な声が出そうになるのを堪えながら手でしんのすけの顔を引き剥がそうとするがその手もぺろりと舐められて、思わず上ずった声が漏れた。

「前も腫れてるね?舐めてあげるよ」

そう言って反転させられて抵抗できないまま良い様に扱われる。

「ぁ…やだって!……あっふ、んんっ」
「トオル可愛い」

クスッと笑われて唇を塞がれた。
もう何時もの流れになってる事を頭の片隅で感じながら抵抗する手を止めた。
最後まで拒みきれない自分の意志の弱さの理由を考えたくない。

「俺も腫れてきちゃった」

唇を離したしんのすけがそう言ってもう一度僕の唇を覆って舌を絡めてきた。
お尻を這うしんのすけの指の動きを感じながら目を閉じた。



おわり

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