小説U

□if.
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過去拍手/六番隊?

――――――――――


ある天気の良い昼下がり

      それは起こった



if.





『朽木隊長〜』





もし

書類を溜め込んでいた三番隊と十一番隊から、六番隊隊長の押印が必要な書類が大量にまわってこなかったら





「…多いな」





もし

その処理に副隊長の恋次と三席の私が手伝うことにならなかったら





「あっ、書類が…!」




もし

窓から風が入り、書類が飛ばされなかったら



もし 拾い忘れがなかったら




意外に几帳面な恋次が、机上に隙間無く書類を積み上げ並べなかったら





『はぁー…』





もし

私が休憩に、と思ってお茶を入れに行かなかったら




盆に3人分のお茶が入った湯呑みを乗せて戻ってきた際、足元に注意していれば





『きゃ…!』




落ちていた書類を踏み、すべってバランスを崩さなかったら





「っあぶね!!」




コケそうになった私に気がついて、恋次が駆け寄ってこなかったら



私は転ぶことなく無事 恋次に受け止められた、けど…






もし

走り出す際に積み上げた書類に触らなかったら





書類が雪崩の如く崩れなかったら








朽木隊長が

その書類に
埋もれる事態には

ならなかっただろうに……。




(嗚呼、全てが
 風の悪戯だと思いたい)


.


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