STEMMATO

□【4】
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『な…んで?』



そう問わなくても、頭の何処かでこうなる事は解っていた。

必然的だった



だって、わたしは――









【其の理由は明白】









懐かしい夢を見ている。


その日はとても綺麗な青空で、

庭に咲いている白い藤の花が空の青にとても映えていた。


『いってらっしゃい、母様』


屋敷の門先で任務に向かう母を見送る

その花と同じ名を持つ

何の紋様も描かれてない
真っ白な隊長羽織を着た母を。











最近はよく昔の夢を見るな。
重い瞼をゆるりと開けば、其処には見覚えの無い天井があった。


「起きた?」

「灰李…」


天井から、声を掛けて来た者の方へ視線を向ける。
その先には、椅子に座って腕を組んでいる灰李の姿があった。

わたしは今、ベッドに横になっているらしい。起き上がろうとするが頭がずきりと痛んだ。灰李がまだ寝てなよ、と制する。

開いている窓から入ってくる風がわたしの頬を撫でて行く。

今はそれがとても気持ち良かった




 
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