09/17の日記

19:23
帝臨
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胎動の魔王さま設定
側近帝人×魔王臨也
ブラック帝人さま仕様



「臨也さん」

臨也が中庭でのんびりと日光浴をしていると二階から声が聞こえる。
仰ぎ見ると自分の側近である黒髪の少年が笑みを乗せ此方に手を振っていた。

「どうしたの?帝人くん」
「どうしたもこうしたもないですよ。波江さんと新羅さんが探してます。また勝手に抜け出したんですか?二人ともカンカンですよ」
「うわぁ〜〜」

ふわりと軽やかに窓から飛び降りた帝人が目の前に降り立ち苦笑混じりに告げると、臨也は用意に二人の姿を想像出来、表情を引きつらせながら目を泳がせた。

「朝から一悶着ありましたからね。二人とも臨也さんが心配なんですよ。勿論僕たちだって」

臨也の隣に腰掛け、帝人は中庭の噴水を見ながら話す。ついと人差し指を動かすと、水が生き物のように動き出した。
帝人の魔力を帯びた水は、太陽の光を浴びながらキラキラと光っている。

「本当……そんな大事な臨也さんに手を出すなんて、身の程知らずの人間が……どうしてくれようか」

人の姿を象っていた水は、帝人がぼそりと呟くと同時に四方に飛び散りただの水へと戻る。
臨也の見間違いでなければ、先程帝人が魔力で象っていたのはこの城によく訪れる勇者の姿だった。

「……えーっと」

先程とは違った種類の笑みを浮かべる自分の側近に臨也は冷や汗を流しながら苦笑する。

自尊心が高く、魔力の強い竜は何より自分の領域に踏み入れられるのを嫌う。そして、聡明さを持ち合わせた獰猛な魔族だ。敵だと認識すれば、一切の情をかけない非情な魔族。

「臨也さん、何かあれば遠慮なく言って下さいね?まだあれの始末は出来てませんが、何時の日か必ず片付けることを約束します。あなたが安寧の日々を過ごせる為に、私たちは居るのですから」

にこりと向けられた、いっそ無邪気な笑みが逆に恐ろしい。

「えっと、そんな急がなくても大丈夫だからね……?」
「気を使って貰ってすみません。やはり陛下はお優しいですね。俄然ヤル気が出ました」

出たのは“殺る気”だろうと思ったが、臨也には曖昧に笑うことしか出来なかった。

「(何か、頑張れ、シズちゃん)」







魔王さまシリーズの帝人さんは自他共に認める二重人格くんです。兎に角臨也さん大好きでシズちゃん大嫌いです。

管理人は無邪気な笑顔で毒を吐く帝人さまが大好きです。

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