09/01の日記

04:19
来良臨静
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魔王臨也と魔族な来良組
シズちゃんは勇者(笑)
仲が悪い来良組とシズちゃん



「っち」

向けられた盛大な舌打ちに、静雄は青筋を浮かべ睨み返した。

「本当にあんた化け物だよな。直撃で無傷とか意味わかんね」

静雄の目線の高さよりまだ高い位置で中空に浮く金髪の少年は、放った魔力の名残を雷として身に纏わせながら不愉快だと言わんばかりに眉間に皺を寄せている。

「何度来ても同じです。私たちが居る限り、此処は通しません。諦めて下さい」

焔を纏う鋭い刃を向けたまま、少女は静かに、しかしハッキリと告げる。

「……このクソガキ共が」
立ちのまま、静雄は近くの柱を握力のみでくしゃりと歪ませる。それでも怯まぬ魔王の側近たち。

「なんとでも。お帰り頂けますか?勇者殿。私たちの崇高なる陛下をその目に映すことすら厚かましい」

黒髪の少年が冷たく笑う。魔力に大気が震えるのを肌で感じながらも、静雄は凶悪に笑って見せた。

「手前らこそ何様だ?ぁあ?誰がなんと言おうがあれは俺のだ。手前らこそ厚かましい」
「……人間風情が僕らよりあの人に相応しいと?寝言は寝てどうぞ?静雄さん」

にこりと綺麗に笑うと同時に、空気中の水分は鋭利な刃へと姿を変え静雄へと襲い掛かってくる。
それでも、静雄にはさした問題ではない。

「臨也さんもとんでもないもんに好かれたよなぁ」
「とても魅力的な方ですから。臨也さんは」

魔力で練り上げた水の刃は5mmも静雄に刺さらない。
やれやれと肩を竦めた金髪の少年は降り立つと、にい、と笑みを浮かべる。挑発的な、それでいて純粋無垢な笑みを。

「あんたは邪魔だ。消えてもらう」
「出来るもんならな」
「出来るか出来ないかの問題ではありません」

やるかやらないか、です。少女の深い笑みが真っ直ぐ静雄を捉える。

「魔王陛下の側近は、伊達じゃありませんから」
「ま、そーゆーこと。勇者が魔王どころか三下にやられるとか最高だよな?帝人、杏里」
「正臣加減しなよ?あまり城壊すなら怒られるんだから」

対峙するは魔王の懐刀。三者三様の化け物に、人でありながら化け物と呼ばれる男は笑った。

「上等だ。手前らに臨也は渡さねぇ」

目指すは愛しく美しい、魔族の頂点の化け物。





仲の悪い来良組とシズちゃんに萌えます。
ブラック帝人さまが大好きです。

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