08/31の日記

23:39
新臨
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「ねぇ、臨也」

短い呼び掛けに、臨也は直ぐに友人の医者の機嫌が悪いことを察した。だからこそ、にこりと笑んで立ち上がる。

「何だい?治療費なら何時ものように振り込んでおくよ?邪魔したね」
「私が何を言いたいか分かっていながら茶化さないでくれるかな。不愉快だ」

吐き捨てるように答える新羅は、立ち上がった臨也の手首を掴み無理矢理ソファに座らせる。振り払うことも可能ではあったが、そんな気にもなれず臨也は新羅の好きにさせた。

「こんなこと続けていたら死ぬよ」
「人は皆何時か死ぬさ。早いか遅いかの違いはあるけどね」
「臨也」

ぎり、と掴まれたままの腕に力が入る。
目の前の男の握力など仇敵の男と比べるまでもないと言うのに、より痛みを感じるのは何故だろうと、臨也は思った。
胸の奥が、熱くて、痛い。

「今の生き方をやめたら俺は折原臨也じゃなくなるよ、新羅。それは恐怖だ。お前の中からセルティが消えたら何が残る?それと同じさ。身体が傷付こうが心が壊れようが、俺は折原臨也でなければならない」
「違うよ臨也。どんな君でも全て君さ。確かに私の全てはセルティだ。けどね、臨也。俺が君を思う気持ちだって確かにあるんだよ。そして、それも岸谷新羅だ」

掴んでいた手を離し、新羅はそっと臨也の脇腹を撫でる。服越しになぞる薄い身体は、巻いたばかりの包帯による凹凸がハッキリと感じることが出来た。

「ねぇ、臨也。君が傷付く度、私も苦しくて苦しくて堪らないんだ。僕には身体の傷しか治してあげられない。だから、取り返しがつかなくなる前にもっと自分を愛して。君が自分を愛さなければ、」

そのままゆっくりと抱き締めてくる新羅に、臨也は力を抜いてそっと目を閉じた。

「僕は安心して君を愛してあげることが出来ないよ、臨也」

新羅の声が直ぐ横で鼓膜を震わせる。聞き慣れた新羅の声。心地好いなと、臨也は思った。

「愛させてよ、臨也」
「俺は君を愛しているよ、岸谷新羅」
「ありがとう折原臨也」

そっと、頬に触れた優しい口付けに、やはり臨也は心地好いと、そう思った。






ううーんグダグダになってしまった
新羅の中では100%はセルティ。でも彼のマックスは120%なので20%の部分は臨也です。
……と言うまったくもって意味の分からない割引が浮かんだ。でも管理人にとっての新臨はこんな感じかもしれない。

切なさと甘さとほのぼのを足して3で割った感じ。

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