作者が暴れます\(^p^)/※腐

□FF零式-97-
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「………ほつれてる」
「アァン?」
裏庭のベンチに座ってぼーっとしていたナインの懐に、おもむろに銀の髪の毛が入って、身動きが取れなくなった。
「上着、脱ぎな。縫ってやるよ。大人しくしとくんだよ」
言いながらナインの隣に座るセブン。
面倒見のいいコイツは、ナインをやんちゃ坊主ぐらいにしか見ていない節があった。
(俺はガキじゃねぇぞ、コラァ)
しかし自分の上着を少し楽しそうに縫うセブンを見るのは嫌いじゃない。
ベンチの背もたれに肘をつき、ぼーっとセブンの手際を見つめる。
「ん、出来た」
裁縫の後いつも、普段クールなセブンの表情が明るくなる。
かわいい、なんて口が裂けても言えないが。
「また何かあったら私に言いなよ」
立ち上がりながらぽん、と頭に手を載せられる。
____オイコラ、俺はお前の弟か?
載せられた手をガッと掴むと、驚いたようにセブンが振り向いた。
「どうした?」
まるで子供をあやすような目で。
「………セブン、」
握った細い手を引くと、驚く程簡単に顔が近づくが、セブンは全く動じない。
(ちょっとは動じろ、コラァ)
ち、と舌打ちを漏らして、手を離してそっぽを向いた。
「どうしたんだ、ナイン」
相変わらずの姉御口調に、思わず本音が零れた。
「てめぇ何とも思わねえのかよ」
「何がだ?」
すっと立ち上がると、ナインはセブンのうなじ辺りに手を添えて引き寄せた。
「………こういうことされてもってことだよコラァ」
極限まで顔を近付ける。
それでも、セブンは表情を変えなくて。
無理か、と離れようとした時、

「……動じてるよ」

セブンの小さな呟きが聞こえた。
「…………ア?」
そこで急に顔が近いことに恥ずかしさが込み上げてきて、思わず飛び離れる。
「動じてない訳ないだろ」
「な、だっ、お前全然そんな風に………アァン!?」
くく、とセブンは喉の奥で笑った。
そして笑みを浮かべて真面目に言う。
「ナインはガキでほっとけないけど、」

そういうとこも好きだよ。

「……もっと分かりやすくしとけコラァ!」
「おい、ちょっと声大きいぞ」
ナインの叫びもセブンに優しく諭されてしまったのだった。



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