小さな戦士と私達
□Battle-1 開かれた鍵
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時は2050年ー今や究極のホビーとなったものがあった。
それは、「LBX」と呼ばれる小型バトルロボット玩具だ。
当初は危険な玩具と称されていたLBXだが、「強化ダンボール」が発明されてからは一転。箱の中で遊ぶ玩具として復活を果たしたのだ。
今や多くのホビーショップがLBXを取り扱っており、子どもたちの手に渡っていることだろう。
その子供たちの元気な声が響き渡るこの街で、物語は動き出すのだ。
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「すいませーん。LBXのお届けでーす。」
晴天のある日、1人の問屋が店に入る。店の名前は「キタジマ模型店」だった。
中には赤い髪の少女ー北島ユラがおり、ペンを持って迎え入れる。
「届けの商品がこちらです。サインをお願いしますね。」
『はーい。』
慣れた手つきでサインをすれば、問屋はすぐに去っていた。他の店にもLBXを卸しているようで、日々忙しそうに動いているのを彼女は知っている。
ちなみに、本来の店長である北島夫妻は買い物のため不在だ。そのため、比較的人の少ないこの時間帯は彼女がお店に立つこともある。
届いたLBXに簡単に目を通しながら卸してくれたLBXのメーカー及び名前を確認しながら、奥のバックヤードに入れていった。
『あれ?』
その時、ふと疑問符が浮かぶ。
他のLBXに混じって見たことのないLBXのアーマーフレームが入っていたのだ。
『アキレスと、ライト?』
両方とも白いアーマーフレームのものである。特にライトは、まるで何か惹きつけられるかのような感覚を覚えた。
初めて見たのに、どこか懐かしいような感覚だ。
『うーん…リストにはあるけど、Lマガに載ってたっけ?』