☆文章おきば☆
□トノサマンらんどに行こう
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御剣のやつ・・・どうしてるかな。
大きな裁判がひとつ終わり、久しぶりの休暇をとった成歩堂 は、事務所のソファに埋もれながら、一人そんな事を考えていた。
そうだ・・。メールでもしてみるか。
そう思い携帯を取り出すと、不意に着信を告げるメロディーが鳴りだした。
驚いた成歩堂は、あわてて通話ボタンを押した。
『はい。もしもし。こちら成歩堂法律事務所・・・』
つい仕事の感覚でこたえてしまった・・。
あっと思う間もなく、電話口からは聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『成歩堂か・・・?』
たった今、自分が連絡しようとしていた相手だった。
あまりのタイミングの良さに、成歩堂は笑いを噛み殺しながら答えた。
『ああ・・、ぼくだけど。どうしたの?御剣』
『いや・・・実は今日』
言いかけた御剣の言葉を遮って、勢いよく扉を開ける音。
『おはよう!なるほどくん!!』
『あ・・・。マヨイちゃん・・・』
電話口の向こうの御剣からは、複雑な空気を含んだ沈黙が伝わってくる。
『お、おはよう。マヨイちゃん』
『あ。なるほどくん、電話中だったんだ。ごめんね。』
『いや・・・、いいんだよ。別に。』
何が良いものか、と御剣は内心思ったが、次の言葉を言い出すまえに成歩堂から
『わるい。御剣。今はちょっと電話できないみたいだ・・・また後でな。』
と、それだけ言って一方的に電話を切られてしまった。
『・・・・・。』