玩具の奴隷

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「ねぇ聞いた!?今日数年ぶりにこの島の英雄がくるって話!」
「うそ‼それは歓迎しなくちゃ!酒場にお酒を集めましょう!」


波の音、潮の匂い、目の前に見える広大な海。
ここは俗に"新世界"と呼ばれる海の一端にある小さな島である。

小さいながら活気溢れるこの街も、数年前まではこんな光景を想像することなど出来なかったと皆口を揃えて言う。
それ程人々にとって今あるこの"平穏な生活"は奇跡的なものだったのだ。
…それはある男の一言で。

『この島はおれのナワバリにする‼』

瞬間、この島の人々の海賊に対する概念ががらりと変わる。
憎き"海賊共"から、島を守る英雄"白ひげ海賊団"と。


「…お父さん」

もう随分と待ち焦がれた、何度も心に刻んだ"それ"。
生きるか死ぬか…遂げることが出来るのならばどちらでも良い。
選ぶことすら望まない。

私は汚れた子。
決して貴方に汚名を被せることなく、約束を果たして消えましょう。

…そう、思ってたのに。
まさかあんなことになるなんて。






玩具の奴隷

大きな家族に夢見た小さな少女の物語。

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