そこから始まる恋もある!【本編完結】
□これを恋だと言うのなら【完】
2ページ/13ページ
世の中、優しそうな雰囲気の男はモテるようになっているらしい。
そこに顔がいいというオプションが追加されたら、なんかもう無敵だ。
鬱陶しいことに、早坂はモロそれで。
あいつと知り合って気づけば6度目の冬の真っ最中なわけだけれども。
俺は今まで可愛いなと思った女の子はほぼあいつにとられている。挙句の果てに俺が気に入ってた1つ下の後輩(男だ、ちなみに)も、あっちの気なんてなかったはずなのに早坂になら抱かれたっていいなんて言い出した時には、さすがに泣きたくなった。
なんであいつばっかりモテるんだ。あいつそんな性格良くねぇぞ? 猫被ってるし、それになにより変態だ。
だから絶対、あんなへらへら笑ってるだけの男がモテるなんて、世の中絶対間違ってるとしか思えない。
大事なことだから何度でも言うが、断じて、これは嫉妬ではない。
し、俺が早坂が女の子を抱きしめてたからって、傷ついたような気がするなんてありえないだろ、気色悪い。
たとえそういう仲になったとしても、俺の中での対・早坂の認識は結局いまひとつ変化しきっていなくて。
それは何でかと言われればあれなんだけど、結局あれだ。だって、なんかそんなの、こっぱずかしくね? みたいなそんな俺の意地だったりする。
*