道化ノ詩


□うそつき
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きみのうそが

ぼくをそめる

しろにも、くろにも

きれいにそめる



やさしいやさしい

きみのうそ



ぼくはそのうそに

いやされて、すくわれて



にくいなんて

いわない、いえない



だって



だってきみは



ぼくのせかいのすべて



あぁ

だいすきで

たいせつで

いとしくて



それなのにきみを

こわいとおもうのは

なぜ…?



いまきみが

つむぎだしたことばが

ぼくのこころをみたす



でもそれはきみのうそ

ぼくのこころをこわす



なみだなんて

どこかにわすれた



ぼくがきみのなみだを

ぬぐってあげられなかったとき

きみのえがおを

しんじたぼくが

ばかだったんだね



だからきみは

ぼくにうそをつく



ずっといっしょ、なんて

あるわけないのに

またしんじてしまうよ



そう

これは



あいしてるくせに

きみからにげた

ぼくへのとうぜんのばつ



きみをあいした

ぼくがわるいの



きみをしんじた

ぼくがわるいの



わかってるよ



だからもう

うそをつかないで



ぼくのことがいらないなら

すててもいいから



きみを

うらんだりしないから



うそつき



でもぼくは

きみをしんじてる



そのことばも

そのえがおも

ぜんぶぜんぶ

しんじてる



ぼくのこころがつぶれて

うごかなくなってもいい



もうにどといきが

できなくなってもいい



きみをうたがって

きらいになるより

ずっといいよ



だから



ほら

いつもみたいに

またね、っていって



うそでもいいから

またあえる、って

おもわせてよ



そうじゃなきゃ

かなしすぎるでしょう



うそつき



でも



だいすきだよ





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