道化ノ詩


□Dead or Alive
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痛みに泣き叫ぶも良し

痛みに耐え忍ぶも良し

突き刺さった無数の針は

事実、突き刺さって

いるのだから



死に等しい生は

生に等しい死の

足許にも及ばない

腕の中で眠る

貴方の亡骸は今にも

僕の息の根を止めそう…



魔術師に作られた

人形のように

生きているとも

死んでいるとも言えない

どっちつかずな僕は

ただここに眠る

貴方の安らかな横顔に

無意識に注いでしまった

僕が動くための

白銀の水を



貴方の細胞になって

もう一度貴方に自由を

捧げたならば

僕の死は生に勝る

弾丸が心臓を貫こうとも

止まることを知らない

不屈不変の孤独の鼓動

それもまた一興



あぁそうか

生死問わず灰色の

世界ではあるが

その中に黒と白が

存在していることに

気付くのが遅かった

魔術師が僕の口を開けて

皮肉な笑いを洩らせた



…違った



僕が魔術師の指を操り

皮肉な笑いを洩らした





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