月まで届けコンツェルト
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360度広がる蒼の世界
左右の雲影が過ぎてゆく。曖昧に重なる天地の境界線へ…
なめらかに、滑るように―
パチッパチッピチパチッ…
外からパチパチと焚き火の音がする。瞼を通り越して、金色の光が私を起こしにかかる。
…いつもなら、もうちょっと抵抗するところだけど、今日は素直に従おうか。
…懐かしい夢を見た。
グテッとマストに寄っかかって豪快ないびきをかきながら昼寝してる団長。船室から出てきて背伸びする父さん。私達3人はデッキブラシを振り回して、掃除しながらチャンバラごっこしてて…。そうやってふざけてると、決まって兄さんや姉さん達に叱られちゃうんだよね。…ケラケラ笑いながらさ。
…船を降りるまで、ずっとそんな暖かい輪の中を過ごしていたんだ。
(そっか…。あんたはもう奴等の味方なんだよね…。もしかして…2人とも…?)
・・・。
ねぇ…ところでさぁ
…ココは、ドコ!?