月まで届けコンツェルト

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「…はあ〜ぁ。これから本当にどーしよ…。」

(『…本校は、貴殿の魔法使い資格取得を認めた上で、アピス・カーレント嬢を本日付で退学とする』…―)

先程教導師長の宣告を受けた私は、クラスメイトやら担任やらに別れの挨拶もせぬまま、荷物をまとめて速攻学校から帰って来た。

(なんか、相当嫌われているよね…。)

いや、別に今更驚いたりしないけど…。

ただ、生徒を辞めさせるべく(世間体も在るだろうに)わざわざ魔法使いにしてまで即刻退学させて追い出すって…。
きっと前代未聞なんじゃないかな?

今回魔法使いになったという事は、魔術師になるために各地の神殿の試練を受けなくてはならないって事だ。

(そんなことよりも今は!)家に帰るのが怖い。
母さんが知ったらどうなるか!…考えただけでも恐ろしい。

「…ど、どっか寄り道してから帰るんでも、遅くないよね…?」

潮風に当たって、頭の整理をするのも良いかもしれない。
(…って事にしておこう!)
 
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