短いお話

□アンダンテ
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何故か私が今いる所はサーカスが終わったはずの監獄で、私は足を止めた




(何でまた迷ってしまったのかしら)



もう忘れようと思っていたのに




「また来たんだね・・・アリス」



ジョーカー・・・ホワイトさんのほうのジョーカーがそう言って私を見つめる




その後ろから私を同情するような目をしてこちらを見つめるブラックさんのほうのジョーカーもいた




(どちらもジョーカー)




変わることのない事実であって、私は今後悔をし始めている




(あれだけペーターに此処には近付くなと言われたのに)



もう後悔したって遅い




もう帰るからと言おうとした唇はジョーカーのそれによって塞がれて、手首は鎖のようなもので繋がれる




(ああ・・・私はこうなる事を夢見ていたのかしら)



跡が付きそうなくらいに鎖でしめられる私の手首



それはまるで狂気のようで離れることが出来ない





でも不思議と私は怖くなかった。もしかしたらこうなることを望んでいたからかもしれない



「ジョーカー・・・」



ホワイトさんのほうのジョーカーを見つめると彼はにこりと笑みを浮かべた




「どうして、此処に来ちゃったのかな?」




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