短編・企画・過去拍手 U

□過去拍手其の三十九
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「臨也君臨也君!」
パソコンの画面を見ながらニタニタしていると、前方から俺の名前が聞こえてきた。
「・・・何? 君付けなんて気持ち悪い」
俺は机の向こう側まで迫ってきた人物を軽く睨めつける。

「ここに猫耳があります!」
「あ、そう」
「え? 付けたいって?」
「新羅に診てもらおうか」
「ちょっとした冗談じゃない」

「で、なんでそんな物持ってきたのかな?」
「それはもちr「先に言っておくけど、付けないぞ」
「・・・・・・えー」

彼女はいつもこう突拍子がないから困る。
いやそれだけならば別に構わないのだが、その突拍子のない事が無茶振りなのだ。
・・・というよりも羞恥プレイ。

「ほらだってもうすぐハロウィンだよ?」
「大分先だよな。
せめてその日になってから言おうよ」
「え? その日はドラキュラのコスプレをして貰おうかと」
「しないから。何もしないから」
ハロウィンの日はお菓子を大量に持っておこう。

「猫耳付けるくらい良いじゃない!
臨也のケチ!」
「アンタが付けりゃいいだろ」
「は? 私が付けてどうするの。誰得?」
「え、俺得?」

「・・・臨也君臨也君」
「はい?」
「つまり、だ。
臨也の言葉を訳すに、両者はお互いの猫耳姿を見たいわけだ」
「まあそういう事になるね」
「じゃあ、どちらがどちらの猫耳姿を目にすることができるか、一つ勝負といこうじゃないか!!!」

「・・・別にそこまでして見たいわけじゃないんだけど」
「男が勝負事から逃げ出すなんて情けない! 
静雄に訴えてやる!」
「なんでシズちゃん?」
「一番効果がありそうだから」

俺は一つ大きなため息を吐く。
別にシズちゃんに告げ口しようがどうでもいいが、こちらの用事も一段落したことだし、相手ぐらいしてやろうか。
要は勝てばいいわけだ。
彼女相手に負ける気はない。

「勝負って、どんな事するの?」
「お! 乗ってくれるの!?
――そうだなあ。単純にジャンケン?」
「シンプルでいいね」
「一回勝負で後からいちゃもん付けるのはナシだよ。
勿論後出しもなし。
グーとチョキとパーだけだからね」
「ガキみたいなことはやらないよ」



はいはーい!
ここからは臨也に代わって私が実況いたしまーすっ!

臨也にジャンケンを挑んだのはいいものの・・・普通にやったら絶対負けるな。
臨也動体視力と反射神経半端ないし。
と、いうことは・・・心理戦か?
臨也に心理戦で勝つことなど・・・!
だがこれしか勝算はない・・・・・・。

「臨也ー」
「何? 今更止めようとか言うなよ?」
「私グーだそっかなー」
「・・・は?」

あ、臨也の眼光が鋭くなった。
まるで獲物を品定めしているかのよう。
ふっふっ、私だって臨也の傍で危ない橋は結構渡ってるんだぜ?
そう簡単には見抜かれないよ?

私が出すのはズバリ・・・パー。
臨也が私の言った言葉を信じてパーを出したとしてもあいこ。
そう言っておいて臨也がパーを出したところを私がチョキで狙うつもりだろうと彼が思っているなら、臨也がグーで私の勝利だ。
オマケに、人は緊張するとグーを出しやすくなるらしい。
まぁ臨也に私がここまで考えているという事がバレればそこまでだが、私は普段馬鹿として通っているようだからそこまで深読みはしないだろう。

私は臨也の前に右手をスッと差し出す。
「準備はいいかい?」
「いつでもどうぞ」
「「じゃんけん――」」

「「ぽんっ!!」」

「・・・っ」
「か、勝ったー! ひやっほう!」
「さっきの、ズルくn「後でごちゃごちゃ言わないってルールでしょう?」
「・・・・・・・・・」

「さあ、大人しくこれを付けたまえ折原君」
「うざったらしいよその言い方」
「はっはっはっ、何言われても怖くないもんねー。
いいからさっさと付けなさい!」
私が臨也にそれを握らせると、渋々だが大人しく言うことを聞いてくれた。

「・・・これでいい?」
不貞腐れたように言う臨也に、私は言葉を返せない。
というか鼻血を抑えるのに必死でそれどころじゃない。

「猫耳臨也、ヤバッ・・・!」
「お気に召してくれたようで光栄だよ。
ってことで取っていいよな」
「え!? ちょ、待って待って!
せめて写真撮ってからに・・・!」

「そんなの許可した憶えないんだけど」
「お願いです臨也様ぁ、後で何でもしてあげるから!」
「へぇ・・・何でも?」
「ねぇ撮っていい? 撮っていい!?」
「仕方ないなぁ。でも後で覚悟しといてね?」
「・・・え?」

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