幻
□きっとそれは
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「ねーねー、ゆまっちー」
「なんすか?狩沢さん」
黒いキャスケットを被った、狩沢と呼ばれる女性は、ゆまっちこと、遊馬崎に突然の(周りから見たら)阿保な質問をした
「ゆまっちはー、アタシのこと、どー想ってるー?」
狩沢は突然変な質問をしたり、突然のおかしなワールドを繰り広げることで定評がある
けど、そんな狩沢を恋人のように仲良く付き合うのが、遊馬崎だ
遊馬崎は悩んだ
何に対する『どうオモウ』か
例えば
『思う』なら、性格や格好について
『想う』なら、女性としてや、仲間として
オモウにもまちまち意味がある
人とは若干価値観が違う為、たまに失敗をしてしまう彼は、とりあえず、間違いを犯す前に狩沢に聞いた
「あの、狩沢さん。それはどう云った意味っすかね?」
とりあえず、聞き方は間違ってないはずだ
多少のことなら狩沢は訂正はしない
「えー、意味聞いちゃうのー?仕方ないなーゆまっちは」
半分呆れながらも、狩沢は遊馬崎に向き直った
「萌えとして」
ズルっと、音がしそうなほど、遊馬崎はこけた
「やっだ、ゆまっちド●フみたい」
いつものオタク会話に発見してしまいそうな、狩沢の話に、一瞬でも真面目に考えてしまう自分が虚しくなってしまった遊馬崎だった
しかし、ここで話を途切れさすほど馬鹿ではない
「いてて…狩沢さんを萌えとしてですか…そっすねー、とりあえず、黒髪、黒服、黒目は、萌えとしてルックスもバッチリですし、性格だってオタクだし明るいし充分っすね」
と、自分の中の狩沢の萌えポイントを述べたあと、遊馬崎はちょっと考え
ふいに
ある疑問を見つけた
「…あれ?」
「どったの?ゆまっち」
狩沢がキョトンとした顔をして、こちらを覗いた
「…狩沢さんは、萌えは充分過ぎるぐらい、ヒット入るんっすけど…なんか…もっと複雑な感情になるっす」
遊馬崎自身、イマイチわかってないようだったため、狩沢も
「なんだそりゃ」
とだけ言って、その話は終わった
二人が自分に向き合うまで、もう少し
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