□ラムネとビー玉
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「セルティー、これ知ってる?」



突然、愛しく怪しい恋人--新羅--が、手にしたよくわからない物体を示して、話し掛けて来た

『なんだ?それは?』

無機質な画面に、淡白な文が浮き上がる

「ちょっと、仕事帰りに子供が飲んでたから、懐かしくて買って来ちゃったんだよ。僕が子供のころはよく飲んでたんだ〜」

とりあえず

飲み物らしい(←そこ?

新羅は、懐かしむように、水色がかった透明な瓶を見つめた後、私に向き直った

「これは、ラムネって言ってね。甘く味付けした水に二酸化炭素を溶かした、言わば炭酸飲料だよ。あんまり飲むとクエン酸とかで骨が熔けるからオススメはしないけどね?」

相も変わらず、目の前の闇医者は器用に口を動かす

ペラペラとよく噛まないで喋れるな…と、首がない私だって褒めたくなるほど、新羅はよく喋る

私が喋れない分、喋ってくれているように

無論、それは私の勝手な解釈だが



『で?それがどうした?』

懐かしいだけで、新羅がオススメしないものを買う訳がない

大概、私を喜ばす為に何かを購入するのだから

新羅は、手にした瓶を私の目の前に持ってきた

その拍子に、中の液体がチャポン…と鳴った

『どうした?』

不思議になり、新羅をない目で見詰める

新羅も、何を思ったのか黙って私を見詰める



数分が経った



「ラムネってね、中に栓の変わりにビー玉が入ってるんだ」



沈黙の後に、新羅が発した言葉は、理解しがたい、なんともよくわからない話だった

『?』

つい、首を傾げてしまった

新羅は、補足もなにもしないまま、言葉を続ける

「僕、子供のころ…セルティーは知らないみたいだけど…こうしてラムネを飲んでた時にね?中のビー玉がどうしても欲しくなったんだ」

何故か新羅は泣きそうだった

「どうしても取れないまま、ずっと過ごしてた。そうしたら、誤って瓶を落としてしまったことがあったんだよ。僕は、瓶が割れて、中のビー玉が取れて嬉しいと思う半面、何故か悲しくなったんだ」

『何故だ?欲しかったんだろう?よかったじゃないか』

私は、訳がわからない新羅を訝し気に見詰めてしまう

「そうなんだよ、僕も最初は疑問しかなかった」


でも

と、新羅は続ける


「ビー玉は、ラムネの中にあるからこそ美しく、綺麗で欲しかったんだって」





新羅は泣きそうな顔で、私に抱き着いた






「セルティー…」


と、小さくつぶやいて









できるなら、君が美しく要られるなが、僕の中でだけでいて欲しと願ってしまう、愚かな僕を君は知らない






長い上に、やまなしおちなし意味なしwww
 

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