Series『現桜』
□The 32th.「御節」
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「山南さんと山崎君は学校に泊まりだって?」
「あぁ、何でも学校に人が居なくなるのも不用心だからってな。」
「大変ですねぇ。」
2年1組 葛木桜華は、同じく沖田総司、1年 雪村千鶴と藤堂平助達と除夜の鐘を突きに、近所の寺まで訪れていた。
そこに委員会の仕事と称して、自主的に見廻りに来て居た2年 斎藤一、教師のくせに遊び来て居た体育教師 原田左之助、数学教師 永倉新八、そして仕事として見廻りをしていた教頭兼古文教師 土方歳三も合流しー…ある意味いつものメンバーが揃っていた。
「近藤先生は?」
桜華が恐らく知っているだろうと沖田に尋ねる。
「家族で紅白見るって。」
「あそこは子供も小さいしな。」
沖田の返事に斎藤が付け足す。
「そっか〜そうだよねぇ。」
よく有る家族の光景だが、幼い時に母親を亡くし厳しい父に育てられたので、桜華はそういう家族団欒という経験が無い。
だから桜華は少し近藤一家を羨ましく感じた。
「なぁ、此処で立ち話してると、鐘つく為のチケットが無くなっちまうぜ!」
藤堂が文句を言う。
「あぁ、そうだな。
じゃ行こうぜ。」
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