series【炎】

□Fourth Mission.『襲撃(後編)』
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今回のランで山崎の持場は、ネットワークとセキュリティ全体である。
たがデ山崎の判断で、元々の私兵の方がシステムに慣れている上、統制が取れているのを見て、本人はマトリックス内へ潜り前線指揮を取る事にしていた。
ここのネットワークは広い。
進入されたら探し出すのは困難と感じ、入口で食い止める為に山崎を始め、何人かのデッカーはそこに待機をしていた。
デッカーはマトリックス内に潜ると思い思いにアバターを形成する。
人型も居れば、動物も居り、見慣れない者には異様な光景に写るであろう。
そんな山崎のアバターは黒尽くめの忍び装束である。
そこに鷹のアバターが近づいてきた。

「外の様子はどうですかね。」

「特に問題無く、進んでいるようだ。」

「そうですか。」

声をかけて来た鷹は、忙しなく毛繕いをする様に動いている。

「緊張しているのか?」

山崎は思い出した。
この鷹のアバターを持つデッカーの事を。
まだデッカーとして日が浅く、まだ少年から やっと男になりかけた様な感を受けた。

「俺もだ。」

「山崎さんも・・・?」

「あぁ何度、仕事をしてもな。」

「・・・」

「人は緊張して当たり前だ。
 だからこそ、集中力を産む。
 しかし、緊張が大き過ぎて逆に周りが見えなくなる事もある。
 いくつになっても、何度も仕事しても難しい事だ。」

「山崎さん・・・」

「此処には、お前だけではない。
 お前に足りない所は、他の者がフォローする。
 在り来たりな言葉だが、お前の出来る限りの事をしろ。」

「はい!」

お互いアバターの為、表情は見えないが、微笑みを交わす・・・そんな感覚が染み込んだ時だった。

「セキュリティに反応!
 分析プログラムを感知!」


「来るぞ!」

山崎が叫ぶ。
皆、攻撃プログラムを立ち上げ、臨戦態勢になる。
山崎もプログラムを起動すると、アバターの手に刀が現れた。
瞬間、入口が破られ、複数のアバターが進入してきた。

「マトリックス内に進入者です!」


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