series【炎】
□First Mission.『捕獲』
3ページ/4ページ
作戦は無事に終わり、チームは拠点とも言えるBAR『屯所』へ帰っていた。
無事にメンバー全員、怪我も泣く作戦は終了し、店の裏側にある倉庫に揃っていたが・・・
こういう大掛かりな作戦後はチーム全体で宴の様な飲み会になるのだが、今はそんな気配も無く、空気は重く伸し掛かっていた。
その発端とも言える人物が口を開く。
「どういう事だ、山南さん。」
眉間に皺を寄せ、土方は山南に詰め寄る。
「どうもこうも、ありません。」
山南は表情を変えずに答える。
「あんたらしくも無い。
何で連れて来た?」
そう言いながら、目の前に座って居る人物へ目を向ける。
作戦中に山南と戦った赤い髪の女だった。
確かに椅子へ座っては居るのだが、普通の状況では無い。
身体は縛られ、椅子に括り付けられて居る。
目隠しもされているが、頭がグッタリと下がっている様子から意識が無い様だった。
「まぁ気になる事がありましてね・・・」
何時もの山南で有れば、例え女であろうと容赦無く、その場でトドメを刺し、こうして連れて来る事は無かったであろう。
ソレが今回に限って、連れて来た訳だから、土方で無くとも全員が疑問に思っていた。
「おい、目覚めそうだぜ。」
黙って土方と山南のやり取りを見ていた者の一人・・・永倉が声をかける。
その一言で縛られている女を見ると、頭がユックリと持ち上がっている所だった。
To be continued
→あとがき