series【炎】

□First Mission.『捕獲』
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潜入した三人は直ぐ二手に別れた。
原田と斎藤はサンプルが有るだろうと思われるエリアへ。
そして山南は外部に繋がれていないネットワークからデータを取得する為、コンピュータルームへ向かった。
山南は精霊を先行させ、慎重に進めると問題無く目的の部屋へ辿り着く。
予め手に入れていた偽装キーを使おうとするが、その時・・・

「・・・」

山南の耳にある言葉が聞こえる。

『聞こえるというより・・・』

頭の中に直接響く感じだった。
山南は思わず連れていた精霊を見るが、変わった様子は見られない。
気を取り直して、偽装キーを差し込んだ。
ロックの外れる音がすると、山南は扉から離れ、精霊に命じてドアを開けさせた。
その瞬間、精霊の身体から矢が突き抜ける。
そのまま精霊を部屋へ前進させ、攻撃する様に命令をした。
精霊が部屋へ入るのを見計らって山南は部屋を覗き見る。

『やはり1人でしたか。』

精霊と対峙する一つの人影が見える。
人影はスッポリと帽子を被り、顔は伺い見る事が出来なかったが、命令に忠実な精霊は、目の前に居る人物へ土の腕を振るった。
その人物は間一髪で避けるが、精霊の腕が帽子を掠めると・・・

帽子が飛び、燃える様な赤い髪が広がる。
そして顔も・・・

『女性ですか。
 通りで線も細いと。』

山南が驚いていると、女が反撃に出る。

『あれは!』

メイジである山南の目にハッキリと写った。
女の体へ纏う様に光る・・・マナの力を。

『フィジカル・アデプト!』

理解した瞬間、女の足が精霊の胸に食い込んだ。
精霊の体がグラリと揺れるけど、消されるまでは行かない。
精霊も攻撃を繰り返すが、避けられ当たらず、返す刀でダメージを受けてしまう。
山南は精霊が倒されるのも時間の問題と判断し、魔法の準備をする。
魔法をかける為に姿を現した山南に女は気が付き、近寄ろうとするが精霊がソコを邪魔した。
仕方なく耐える様、女が身構える前に山南の魔法が発動する。

「くっ!」

呻き声と共に女の体が床に落ちた。
山南も強目にかけた為か反動を受ける。
精霊は倒れた女に攻撃を加えようとするが、山南はソレを止め・・・
ゆっくりと傍に近付いた。



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