Series『現桜』

□番外編The 6th.「卒業旅行」
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「寒いなぁ、やっぱ。」

全ての手配は山南が行うと言う事で、桜華は日程のみ聞いて、旅行の準備だけした。

 「三月とはいえ、あちらは寒いので防寒はしっかり用意して下さいね。」

日程を聞いた時に山南が言っていた通りである。
言われた通り防寒を持っていたのだが、函館へ着いた瞬間、思わず漏れてしまった。

「大丈夫ですか?」

「うん。
 先生は・・・」

「私は慣れていますから。」

山南の一言で仙台出身と言ってた事を桜華は思い出す。

「それより、余りユックリとした日程を取れずにすいません。」

「しょうがないですよ。
 先生、忙しいし・・・
 逆に、先生の体調の方が心配です。」

結局、仕事の都合上、一泊二日の小旅行と今回はなった。
目的だけ考えれば十分なのだが、桜華的に出来れば折角訪れた初めての土地。
ユックリと見たかったのだが・・・

「私は大丈夫です。
 それより荷物を預けて、先ずは食事にでもしましょう。」

「はい。」

何時も通りに振る舞う山南だが、桜華の目には何処か無理をしている様にしか見えなかった。


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