Series『現桜』
□The END.「卒業」
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「今年度 卒業式を始めます。
卒業生の入場です。
暖かい拍手でお迎えしましょう。」
薄桜学園2年 雪村千鶴の司会で始まる卒業式。
勿論、伴奏は音楽教師 伊東甲子太郎だ。
今迄、この手の司会は3年1組 葛木桜華が行って居たのだが・・・
その桜華は、卒業生の中に居る。
他に3年1組 沖田総司、同じく山崎丞、3組 斎藤一の姿も見えた。
桜華は席に座ると、司会の方を見る。
『何とか、大丈夫そうだな。』
この日が近づくにつれ、千鶴が何かと涙目になるのを見て、本番当日を心配していた。
『まぁ度胸は有るし。』
それから教員席の方へ視線を向ける。
古文教師兼教頭 土方歳三の隣にいる保険医兼事務長 山南敬助を見つけた。
こういう行事の時は、大体この並びで座って居るのだが・・・
桜華は、この光景を見るのも最後かと思うと、少し寂しい気持ちになった。
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