Series『現桜』
□番外編The 4th.「ValentineDay」
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「桜華先輩、今回はどうするのですか?」
「何が?」
薄桜鬼剣道部マネージャー 1年の雪村千鶴は、同じく剣道部2年 葛木桜華に部活の休憩中で寛いでいた時、問いかけた。
「チョコですよ、市販にするのですか?」
「へ?」
千鶴の言っている意味が桜華には、さっぱり分からない。
「もう・・・
もうすぐバレンタインデーじゃないですか!」
「あぁ・・・」
「で、それが私と、どういう繋がりが?」
桜華はいつも貰う立場の為、チョコレートを受け取り、『あぁ、今日はバレンタインデーなんだ』と気付くぐらいの状況で、桜華にはさっぱり自分にどう繋がるか分からなかった。
「先輩・・・
山南先生へ上げないのですか?」
「な、なにゆえに?」
桜華の反応に、如何にも焦れったく感じながら、千鶴は言葉を続ける。
「好きな人には、日頃の気持ちも込めて贈るモノなんですよ。」
「そういうモノなの?」
「そういうモノです。」
「・・・」
桜華は千鶴の言い分に考え込んだ様子を見せる。
「で、先輩・・・
勿論、手作りですよね?」
「え?作る・・・の?」
「先輩!」
「は、はい!」
千鶴の勢いに飲まれ、桜華の背筋が伸びる。
「作らないといけません!
い・い・で・す・ね!」
「わかりました・・・」
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