Series『現桜』
□番外編The 3th.「日食」
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「桜華・・・来週21日、早く学園に来ませんか?」
「はい?」
何の脈絡も無く唐突に言われ、薄桜学園3年 葛木桜華は一瞬理解できなかった。
「ですから来週、朝早く学園に来ませんか?と聞いているのですよ。」
桜華のそんな癖をよく知っている保険医兼事務長 山南敬助は厭きれつつも同じ事を再び口にする。
「あの・・・何故ですか?」
「来週21日に、金冠日食があるのはご存じですよね?」
「あーニュースで話題になってますよね?!」
「えぇ、ですから一緒に朝、学園の屋上で見ませんか?」
「いいですけど・・・大丈夫ですか?」
この大丈夫は色々な意味が込められているが・・・一番の心配は、山南との仲が周りにバレることである。
流石に保険医とは言え、生徒である桜華と付き合っている事実が周囲に知られるのはやはり不味い。
「大丈夫ですよ、手は打ちますから。」
ニッコリと微笑みながら話す山南に一抹の不安を覚えつつも、桜華は一緒に見る事を約束した。
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