紫雲の蒼写真【第二部】

□あの子が彼になったよA
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さゆ(蒼)Side

せっかくなので二人で適当に校内を歩いてみる。

皆ちゃんと勉強してるなー

いつもは自分があの中にいるっていうのが少し不思議な感じだ。

「…なんで離れて歩くの?」

『い…いや。なんとなく、かな?』

なんだか紫苑との距離が遠い…。

あれかな、絡みすぎて軽い人だと思われたかな。

だっていつも俺がからかわれるし、ちょっとくらい意地悪してもいいかなーと思ったんだけど…

「寂しい。」

『え?今何て言っ…わぁっ!?』

うん。しっくりきた!

「みんな真面目に授業受けてるんだからうるさくしちゃダメ、な?」

シーッと口元に人差し指をもってきてにっこり、と笑うと顔を赤くして下を向く彼女。

…ほんと可愛いなー。
普段に輪をかけてそう思うのは男体化してるせいなのか?

『だ…だって。いきなり、手を…繋いでくるから…びっくりして。』

下を向いたまま答える彼女。

可愛いなー←

もう紫苑の一挙一動に可愛いって言わないと気が済まないかもしれない。

…重症だ。

「あ。ツ…沢田君たちの教室だ。今日は珍しく獄寺君もいるんだな。」

危ない危ない。

今俺は赤の他人の男子生徒Aだから。
ツナとか言ったらリボーンにスパイと間違われて撃ち殺されてしまう。

「ちゃおっす」

…とか思ってたのが神様に筒抜けだったのかも知れない。はぁ。

『わぁ…リボーン…』

「何だ?そのひきつった苦笑いは。ところで紫苑、お前が手を繋いでるその男は誰なんだ?」

リボーンの視線は俺に。まぁ、当たり前ですよねー…名前どうしようか。

『え、ぇえと、この子は…(さゆって知ったら私撃たれちゃうかな!?ど…どうしよう)』

捨てられた仔犬の様な目でこっちを見るんじゃない!かわい((ry

「(あ。どっちかというと猫かも)ぇーと…紫苑の友達の、蒼です。」

「蒼、だな。…お前らそんな顔に出してちゃ他の奴らにバレちまうぞ。」

ニヤリと笑う赤ん坊。…ん?

「『…バレてる?』」

「俺の目を騙そうだなんて100年早いんだぞ。
まぁ、顔に出さない様にすりゃ、まだバレにくくなるんじゃねーか?」

ポーカーフェイスってやつだね、よし。

マンガで読んだことある。がんばろ。

「リボーンが最初に会う人で良かったよ。ありがと。」

これが他の人だったら疑いの眼差しを頂戴することになってた。

「それと、今日は周りに気をつけた方がいいんだぞ。」

ちゃお。と去っていく小さなヒットマン。

どうやらリボーンは俺の楽しみに協力的らしい。←

「リボーンが知っててくれるなら心強いな。」

『そうだね。でもリボーンが言ってた意味って何だろうね?』

首を傾げる紫苑。かわ((ry

ツナを暗殺しようとする輩がいるとか?

うーん…それじゃあ気を付けようがないじゃないか。

そうこうしているうちに授業が終わってしまった。

休み時間。
あちこちから生徒の話し声が聞こえる。

『“蒼”って最初に教えといてくれればよかったのにー。
…ツナたちに会うと面倒だから戻ろっか。超直感とかもあるし。』

ごめん、と苦笑いをして応接室の方向へと歩きだす。

拗ねてるのもほんと可愛いんだから。もちろん手は繋いだまま。

なんか紫苑とのんびりするの幸せだなー←

「あ。やっぱり紫苑なのな。ブレザーだから一瞬わからなかったぜ!」

山本くん!?

何でこんな時にも話しかけてくるんだ!?

俺知らない男子生徒Aなのに!?

『ぇ!?…あぁ、うん。そうなの!今日はブレザーの気分だったんだ!!じゃあ私はこれで「なぁなぁ!そいつは?」…はぁ。』

今だけはフレンドリーな彼が憎い…

いつも通りの爽やかな笑顔をこちらに向けてくる。

この爽やか天然系男子め。国宝級だよほんとにもう。

「紫苑の友達の蒼だ。よろしく。山本くん、悪いんだけど俺達ちょっと急いでるんだ。またな!」

にこっと笑い、紫苑を引っ張って早足で進む。

超直感だけでなく、皆何かと勘が鋭くてバレる危険性が高まるため、これ以上守護者たちと接触を持つわけにはいかない。

「…へぇ。紫苑てさゆと俺達以外に友達できてたのなー。」

二人の後ろ姿を見ながらよかったよかったと頷く山本がいたとか。


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