二次創作小説・・・ぽいものへの挑戦
□「ラッキー・ストップ 〜変身禁止〜」 2/3
1ページ/3ページ
気づいたとき、洋一は大きな・・・
しかし、背負われなれた背にいた。
夜空は遠くから早くも、朝の光を感じさせる。
覚醒した洋一の頬に、冷たい空気がふれ・・・
目頭にそっと右手をあて、自らグッ、とぬぐう。
「寒くないですか、師匠」
背に背負った少年の目覚めに、いち早く気づいていただろう
努力マンはふり返る事も無く静かに問いかけ、
黙々とアスファルトの地面を踏みしめ歩き続ける。
「・・・こんぐらい平気だよ」
またこいつは一人、突っ走って思いつめているんだろうなぁ、と
背に額を押しつけながら思う。
空を飛べば良いものを。
自分の体を気づかってか・・・
もの言わず歩く弟子に小さく息を吐いた。
少しだけ、体を動かしその背に書かれた本音をのぞけば、
案の定、不安と心配がびっしりと浮かび上がっていて。
「師匠、それは・・・」
ズルいと言う文句か。
それとも、弱気を見られた弁解か。
「大丈夫」
洋一は、再びその背にしがみついた。
「大丈夫だから。心配すんな」
鼻をすする努力マンに言い聞かせるように。
自分自身に言い聞かせるように。
洋一は言うと、その背中を抱きしめるかたちで身をあずけ、
静かに瞳を閉じた。