二次創作小説・・・ぽいものへの挑戦
□再会〜星のかけら2〜
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「再会〜星のかけら2〜」(洋ラッキー)
『なんでこんな事になったケン・・・』
がむしゃらにウサギ跳びをくりだし進む、
汗くさい柔道着の背中を眺めつつ
ボクはリードを引っ張られ。
ウサギ跳びの少年に懸命について走っていた。
「ほら、やっぱり散歩して良かっただろ、ラッキー」
にこやかに野原に座り、努力マン・・いや、杉田君が問いかけた。
「ワフゥン・・・」
あれは散歩だったのか。ボクには地獄の特訓の様だったというのに。
微笑みながら、ガシガシと頭をなでてくれる
杉田君の横で軽く目眩を起こしながら、
今日の朝の運の無さをしみじみ感じていた。
主人の帰りを待つ為、幾日も持ち場を離れず立ち続けるボクを心配し、
散歩に連れ出そうとしてくれたパパさんとママさん。
持ち場からあまり遠くに離れたくなくて、ぐずっていたボクと
困ってるパパさんとママさんの前に。
彼がひょっこり顔を出してしまったのである。
後は説明不要。
その通り、まさに力ずくで散歩(?)に連れ出されてしまった。
杉田君は涙を流し、やけに張りきって。
・・・嫌な予感はしたのだが、大当りも良いところである。
しかし、野原にふく風はあまりに心地良く、
小さな花々の香りはボクにはとても強く、甘く感じられた。
何時だったろう、洋一君と野原に寝転がったのは。
あの時はそう、こうしているボクの前で洋一君、
花なんか喜んで摘んでたっけ・・・。
花々と、揺れるあの横顔の面影にさそわれて。
ボクはうとうとと眠ってしまった。