二次創作小説・・・ぽいものへの挑戦

□星のかけら
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野原に放され、遊ぶうちに気がつけば誰もいなかった。
ないて、走って、帰る道を探し、そして待っていた。

母犬が探しに来てくれるのを。
急にいなくなった事に驚いたあの子がやってくるのを。

あの二人に望まれてるから、自分は待ってられる。

でも・・・

幾度も日が昇り、おちてゆき、
お腹がへって。

脳裏に浮かび上がる不安が形をおび、
無視しきれぬ大きさに育っていく。

もし、母犬が自分の事を「もらわれて行った」のだと勘違いしていたら?

もし、あの子もそう思っていたなら?

もし、・・・あの家に捨てられたのだとしたら。

帰り道は見つからない。

あの子と母犬が諦めたら、自分は。


ごまかして、さまよって。待ち続けて。
愛してくれる二人が来るのを待った。


自分が生きてることを、幸せな事を喜んでくれる___
自分の存在の理由を待った。



だが___とうとう自分は絶望した。
保健所の車のドアが閉まった時に。

さめざめと、閉じゆく世界の中で泣いていると。
轟音が響き、ドアが唐突に開かれた。

存在の理由とか、そんな全てを忘れさせるだけの歓喜と光が。

無我夢中で飛び出したとき、恩人の姿を見た。




その恩人・・・少年と、運の無さ、そしてその秘密を共有する様になった日、自分は新しい主人に出会った。

少年は、あの子の様に大金持ちでは無い。
母犬の様に、無条件で甘やかす訳ではない。

でも。
あまりある何かがそこにはあった。

いつしか、不運と互いに嘆き合いながらも笑ってる自分がいた。
そして、
見たいものができた。

少年の、本当の幸せに笑う姿を。
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