浅き夢見し恋せよ乙女

□お返事は頬に
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「わあー…凄く綺麗ですねえ…」



私は、目の前にある大きなクリスマスツリーのイルミネーションに思わず感嘆の声をあげた。
その度に口から白い息が洩れる。



「でしょ?俺様が今まで見た中ではここが一番綺麗だと思うんだよね〜」

「ここのイルミネーション見たことなかったので、凄く憧れてたんです」

「ならよかった」



見上げた佐助先輩の顔は、寒さのせいか頬が赤くなっていた。
きっと私も赤くなっているのだろう。
先程から鼻先がツンとしている。



「っていうか今日はホントにありがとね、わざわざ付き合ってくれて」

「いいえ!私もどうせ暇でしたし…」




佐助先輩とクリスマスイブを過ごせるなんて、幸せです。
なんて死んでも言えない。




『美雨ちゃんイブ空いてる?』




そんな彼の一言で決まったイブの予定。
空いてるという事実があり、断る理由もなかったので、私はその誘いをあっさりと受け入れた。
正しく言えば…あっさりと受け入れた、フリをした。




「しっかしカップル多いね、やっぱり」

「イブですしね、仕方ないですよ」




まずこんなにカッコイイ佐助先輩に彼女がいないことに私は驚いていた。
常識的に考えれば先輩はあちら側の人間なのだ。



「あはは、他の人からは俺様たちもそう見えてるんだろうね」

「そ、そうなんですかね」




平然と返してみせるが心臓は今にも爆発してしまいそうだ。
先輩といるとドキドキしすぎて身が持たない。




周囲を照らすのはイルミネーションの光のみで、熱を持った赤い顔を見られずにすんでいる。




「あ、そーだ。美雨ちゃん」

「え?」




不意にそう言った佐助先輩は、私に可愛いラッピングが施された小さな箱を手渡した。




「え、あのっ」

「俺様から美雨ちゃんに、お礼もかねたクリスマスプレゼント」

「なななななんでっ…貰えませんよ!!」




中身は見えないけどラッピング的に凄く高そうだ。
なんか見覚えあるブランドロゴついてるし!




「んじゃアレだ、サンタさんからのプレゼントってことで」




慌てふためく私に佐助先輩はいつもの飄々とした声で言った。




「そんないい加減なっ…だいたい私なんにも用意してないですし!」

「俺様がしたかったんだからいーの!」

「そんなの私がよくないですよっ!佐助先輩、欲しいもの言って下さい!私の出来る範囲で!」

「欲しいもの?ん〜そうだねえ…」




佐助先輩は視線を僅かに上に向けると、小首を傾げた。
そして何を思ったかポツリと呟いた。




「美雨ちゃん」

「はい?」

「美雨ちゃんが、いい」

「?………!!!な"っ…///」




理解するのに少し時間を用した美雨。
暗闇でもわかるんじゃないか、ってくらいに顔が赤くなった。
茹でダコよりも遥かに上をいっている。




「なっ、なしなし!そういう冗談はやめてくださいよ!!言われるこっちが恥ずかしくなります!///」

「冗談とか微塵も言ったつもりないんだけどなあ」

「え」

「俺様さあ…美雨ちゃんといるだけでプレゼントもいらないくらい幸せなの。なんでだかわかる?」




いつもの飄々とした、全てを見透かしたような笑顔が私を捉えている。




「…わかんないです」

「えー…ホントに?」




嘘です、ホントはわかってます。
佐助先輩にはこんなバレバレな嘘、気づかれてると思うけど、
でも、これ以上言うのは少し悔しかったから。
だから、





「佐助先輩」

「なーに?」




…ちゅっ




「美雨ちゃっ…!?」

「佐助先輩に、サンタさんからです!」




お返事は頬に
(サンタさんが俺様に向けたものなの、コレ!?)
(男女問わずモテモテですね、先輩)




ーーーーーー

やっと完成した…!!
このあと二人はちゃんとくっつきます(^O^)笑
なんか最後の文、甘さが微塵もありませんでしたが。
文章全体的にグダグダでしたが。


最後まで読んで下さった美雨様、ありがとうございました!

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