浅き夢見し恋せよ乙女

□はじまり
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美雨は一人、液晶画面を前にして悩んでいた。






一人暮らしを始めて一年ほど経つ。
最初は勉強やらバイトやら自炊やら慣れないことばかり。しかし一年も経てば嫌でも慣れるものらしくて、今はなんの支障もなく生活できている。
それというのも、彼女が今現在プレイしているテレビゲーム、戦国BASARAが彼女の心の大きな支えとなっていたからだろう。
一人暮らしの不安やら寂しさよりも、誰からも邪魔されずゲームを出来る解放感のほうが彼女の中では勝っていたのだ。



画面の中にはいつも彼らが待っていてくれる。
だから寂しさなど微塵もなかった。



しかしそうして過ごしていくうちに、美雨の中に小さな想いが生まれた。
日に日に大きくなっていくその悩み、もとい願い。

今日も美雨は液晶を目の前に物思いにふける。








どうやったらこの画面の中に入っていけるのだろう、と。








やれることはなんでも試してみた。
講義中に居眠りしてみたり、液晶に頭をぶつけてみたり、すごいときは崖からFly awayしようとしたときもあった。
しかし全て(友人の必死の引き止めにより)失敗に終わってしまっている。





「どーやったら行けるのよォォォ!!」





ドスッ!




思いのあまり液晶にチョップをかます美雨。
買ったばかりの新しいデジタルテレビの液晶が悲鳴をあげる。
ちなみに今回で4度目だ。





「まったく!…ん?」





そのとき、今までにない反応が(4台目に)起きた。
テレビがパチパチと電気を放ち始めたのだ。





「えっ嘘!これキタ!!」





これを世間一般では俗に故障と呼ぶ。
テレビぶっ壊して喜ぶ人なんか普通いないのだが、その前に、液晶に入りたいと願った時点で彼女を普通とは言い難い。






「さあいざ行かん、戦国へ!!」






パチパチ音が大きくなっていくテレビに美雨はテンションがハイになる。
黒い煙fromテレビだが、そんなの見ちゃいねえ。




バチバチッブチンッ!!




そんな音と共に煙は部屋に充満し、ブレーカーが全て落ちた(※よい子は真似せず速やかに逃げましょう)。




「ごほごほっ…煙に停電とはお約束ね!!さあ戦国カモン!!!」




期待に胸を膨らませゆっくりと目を開くと、目の前に広がったのはいつも目にし、憧れていたとある戦場のど真ん中…





ではなく、なんの変化もない、見慣れた自分の部屋だった。







「やっぱり駄目かあ…今日こそはって思わず期待しちゃったじゃない…」






当たり前だが今回も作戦(?)は失敗のようだ。
部屋の煙をとっぱらおうと美雨は窓を開けた。
風が室内に入り込み空気が入れ替わり始める。






「あーあ、またテレビ買いに行くか…」






ぶっ壊されて「そりゃないよ」と言いたげにプスプスと故障したことを告げるテレビ。
次はもっと丈夫なやつを買おうと思う。
美雨はハーッとため息をついた。






「まったく…今の停電は一体なんだったのよ…」
「shit…今の爆発は一体なんだったんだ…?」








「え?」「Ah?」






自分以外の他者の声に、見渡した見慣れた部屋。
すると先程まではなかった見慣れないもの、いや、見慣れた者が一人。









眼帯つけた、蒼いヒト。










「…アンタ誰だ?」










はじまり
(まったくもって)(予想外)






ーーー
トリップじゃなくて逆トリっていうパターン(^O^)
このあと幸村やら来て最終的に逆ハー希望!(`・ω・´)


てかテレビがバンバン買い換えられるとか羨まし!←
どんな女子大生だよ!

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