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□ひと夏のおもひで
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夏休み、休みと言えば旅行だが…

「姉さん、旅行とか興味ないの?」
「え?いや、別に?」
「へぇ、そうなんだ」

何事にも興味を持つ燐が、興味を持たないとは珍しい
そういえば、神父さんが誘った時も嫌がっていた

「いきなりどうした?」
「いや、どうして何処かに行こうとか、一切言わないのかな?って思っただけ」
「だってさ…悪魔の子とか言われてきたし、言ってきた奴と会う事はもう無いけどさ…」
「変なこと聞いてごめんね?大丈夫だよ、僕は姉さんの味方だから」
「ありがとう、雪男」

にこっ、と微笑む燐を見た雪男
うわっ、押し倒したいっ!
ハッ!危ない危ない…あのくそピエロにからかわれるところだった…
理事長でもあり、上司でもあるはずの人に向かって物凄い言い様だ

「で?なんでそんなこと聞いたんだ?」
「いや、特に他意は無いよ」
「お前だったら、クラスの女子とかと行けば?モテるし」
「姉さん以外の人と、行く気はないよ」

即答する雪男
と言うより、姉さんより可愛い人がいるはずないじゃないか。とは、流石に言えなかった

「そう言えば、志摩たちに何か言われたな」
「志摩君に…?」
「そう。夏祭りに行こうとかなんとか」
「それは、志摩君だけ?」
「そんな訳ないじゃん、塾の人たちとだって」
「そうなんだ。それ、僕も行っていい?」
「いいんじゃないか?」
「そうニヤリ」

くそ、あの脳内ピンク族がっ!僕の姉さんを誘うなんてっ
激しく怒る雪男、しかし、貴方だけの燐ではないでしょう…
何言ってるんです、頭撃ちぬきますよ?
あ、ごめんなさい。そうですよね、志摩君が悪いんですよね
分かっていただけたなら結構です

「ん?今の沈黙は?」
「大丈夫だよ。別次元との交信だから」
「よく分かんねぇけど、お前、俺の事バカにしてるだろ」
「ハハハ、バカにはしてないよ。可愛いと思ってるよ」
「へ!?いいいいいきなり何言ってんだ!」
「何って、僕の本心」
「なにどや顔で言ってんだ!」

キリッとした顔で言い切る、普段からこんな顔ならもっと周りが煩くなるだろう
本当に可愛いなぁ、顔を真っ赤にしちゃって

「と言うか、昼休み終わるぞ?」
「そういえばそうだね。姉さんは、いつでも聞いてないけどね」
「何故それをっ」
「僕のところに全部報告が来るんだよ」
「なんでお前に報告されてんだ!」
「ハハハ、なんでだろうね?」

教師たちの間では、奥村雪男に逆らうと聖十字学園にはいられない。という噂があるらしい
僕は何もしていませんよ、一体誰がそんな事を言ったのでしょうね?
嘘つけぇぇぇぇええええ、と叫びたくなるような顔で、質問してきた新米教師に答えたらしい
その後、新米教師は謎の理由で転勤していった…

「もういい、さっさと帰るか」
「そうだね。真面目に勉強するんだよ?」
「分かってるよ。お前は俺の母親か!」

恋人にしてほしい、とは流石に言えなかった


頭のいい方の奥村

「雪男君、この経済書なんだけど…」
「それですか、ちょっと貸してください」

物凄い勢いで速読する、常人であれば理解までに数か月必要と言われている本を、数分で理解する

「ありがとうございました。質問と言うのはどこですか?」
「あ、うん。このあたりなんだけど…」
「あぁ、そこではですね…」

質問内容も内容だが、数分でそれを理解するという有り得ない頭を持っている

「ありがとう!」
「いえいえ、どういたしまして」

周りから、おぉ!やすげぇ!と言う声が聞こえた
そんなに凄いか?簡単だったし…
末恐ろしい事を考えている雪男であった

一方、頭の弱い方の奥村

ダルイ…死にそうにダルイ…
欠伸のしすぎで、目元が潤んでいる燐
その姿を見た男子生徒たちが、前屈みで教室から出ていくのを不思議そうに見つめる女子生徒
燐に限っては、夢の世界へ旅立ってしまっていた

「おや?男子生徒がいない…委員長、男子生徒たちはどこへ行ったのですか?」
「はい、奥村さんを見たかと思ったら、前屈みで出て行きました」
「そうですか…奥村さん、寝ないでくださいよ」
「ん…はい…分かりました」

すると、先生までもが前屈みで教室を出て行った

「先生!?どこ行くんですか!」
「自習ですっ今日は自習していて下さい」

仕方がないので、昼寝を再開した燐
その後、報告を受けた雪男が米神に青筋を立てたのは言うまでもない
そして、その様子を遠巻きに眺めていた教師たちは青ざめた顔だったとか

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ヤドカリ様、ほとんど女体化している意味無い感じになってますが許してください
経済書の辺りは、深く考えないでください
書いている本人がバカなので、そういう類のものは読みません
もう少しで、絡みがあると思います
もう少々お待ちください
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