ネタ

□ムーミン2
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私が生まれてくるずっと前から皆に愛されていた‘ムーミン’というアニメは、実は酷く恐ろしい物語だった。

一見、ムーミンは愛くるしい動物の様な生き物達がほのぼのと和やかで、時には友情だとか恋だとか愛などと少し哲学的で大切なことを教えてくれる素敵な物語である。


しかし、この実の物語は世界が核戦争に巻き込まれ、私達人類が滅亡した後の未来の物語だった。





ムーミン谷は唯一核戦争から免れた場所である。


ムーミン一家は妖精だと言われているが、核戦争の放射能の影響でカバが知能を持ってしまった突然変異のミュータント。

ミイは核戦争の生き残りであり、戦時中に両親を亡くしたショックで年を取らなくなってしまった。

そしてスナフキンは退役軍人であり、旅をしているのはハグれてしまった仲間を探す為。
彼が時折哲学的な事を口走ったり、世捨て人のような雰囲気を出すのは戦争で死んでいった人々の墓守としても生きていかなければならない責任を背負っているからだ。









そして物語の最後の結末。
雪が降り、ムーミン達が冬眠に入るのは核戦争の影響で訪れる‘核の冬’を表し、登場人物であるムーミン達は死んで逝くのを表しているのだった……。


☆彡





朝の陽射しが顔に当たって、頬の傷がチリチリと痛むのに目が覚めた。



(我ながら凄い回復力だ……)

昨夜は出血のしすぎで指先一つも動かせなかった筈が、何処も不自由なく起き上がることができた。

傷口も大きい箇所以外は殆ど塞がっていてかすり傷と変わらない。

まだ所々痛む所はあるが、特に何の支障もなかった。

寝ていた床の側に置いてある、ムーミンが持ってきた鏡を手に持って顔の腫れを見て見ると、少し落ち着いてはいるが目の腫れはまだ出目金状態だった。触ってみると少し熱をもっている。


側にあったテーブルの上に鏡を置いて、昨夜話している途中で○○の隣で眠ってしまったムーミンに目をやった。


(カバのミュータントか……。)


今更になって、あの話を話してよかったのかどうか不安になった。
昨日は色々あって、疲れてどうでもよくなって話してしまったが、話した後で少し後悔した。

どうせ、自分は此処ではない所に帰るのだから結局は別に話さなくても良かったのではないかと。長居するつもりもない。
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