長い道のり

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・・・・・・朝か


朝10時、霙より早く起きた中野はカレンダーを見ながらそう思っていた


前は死ぬほどヒマだったのにな


中野はカレンダーから隣のふとんで今だに寝ている霙の顔に視線を移す
霙はまだまだ幼ない顔立ちだが、誰が見ても頬を染めるほどの美少女だ
しかし少し幼すぎる性格のせいか周りからは妹のように扱われる事が多い
だがファンクラブは数えきれないほどある


中「・・・おい起きろよ霙」


そう言いながら霙の体を軽く揺さぶる中野
だが霙はまだ起きない


中「おい起きろ!」


中野がそう叫んだ瞬間霙はバチッっと目を開け、布団から飛び出した


中「うぉっ」


『・・・・・・あ。・・・コトか・・・』


睨んでいた霙の目が一気にゆるまった


『もービックリしちゃったじゃんかコトー』


中「んだよ。そんなにビックリする事ないだろ」


『トラウマなの』


中「なんだソレ?」


『それより今日コト学校でしょ?』


霙がそう言うと中野は「あぁ」と言いながらダルそうに立ち上がった


『ねぇねぇ学校って楽しいの?』


霙がそう質問すると「楽しかねーよ」と言いながら洗面所に入って行った


『ふぅーん・・・』






















中「じゃあ行ってくっから留守番ちゃんとしとけよ」


『あーちょっと待って』


出て行こうドアノブに手をかけた中野を霙が引き止める


『私今日生活用品買いたいから出かけていい?』


中「あー・・・そーいや買わねぇとな。1人で大丈夫か?」


はっきり言ってダルくて学校に行きたくない中野
ちょうどいいヒマ潰しを見つけたように霙を見る


『学校はちゃんと行かなきゃなんないんだろ?ちゃんと行きなさい』


中「ちっ、んじゃ行ってくるわ」


『いってらっしゃーい♪』


大きく手を振って中野を見送る霙


バタン・・・


『・・・・・・さて、着替えようかな』

 
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