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□コタツ
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【蛇足のようなその後】
「そうだ、コタツと一緒に送られてきたみかん持ってきたのすっかり忘れてた」
「コタツミカン!コタツ猫と並ぶ定番の日本スタイルですね!」
「だろ?猫はいないけどな。ちょっと取ってくるわ」
虎鉄はコタツから出て立ち上がるとロッカールールに消えていった。
それを待っていたかのように、堪えかねたカリーナが口火をきった。
「ねえ、みんなさっきのアレ聞いてたでしょ……」
「ゴメン……やっぱりバレてた?」
「誰かさんを筆頭にバレバレの演技だったし
ま、ここじゃ聞くなって言う方が無理な話よね」
「な、なんで皆して僕を見てるんですか?
にしても、あ〜憧れのコタツ……幸せでござる」
「私は今一状況が分からないんだが、皆でこうして暖まってると、団結力を感じるね。
素晴らしい、実に素晴らしい」
「お前が『皆入らないのかい?じゃお先に失礼!』って入ったからこうもなったんだがな」
「結局みんな聞き耳立ててたの?バーナビーあなたまで?」
「だからさっきも言ったじゃないですか。あの状況で出ていくほど野暮じゃないですよ
趣味をどうこう言うつもりもないです」
「ハンサム……それって遠回しに言ってない?」
「さあ?どうでしょう」
「なんだぁ?俺がいない間に随分盛り上がってんな。
よっ、と。どっさり送ってきたからジャンジャン食べてくれ」
戻ってきた虎鉄が抱えていた箱をコタツの上に置くと、箱いっぱいに詰まった蜜柑から柑橘の甘い香りが広がった。
「ワオ!美味しそう!いっただきまーす」
「コタツで食べるミカン……今日のブログに載せますね!ごっつぁんです!」
「美容の為にもビタミンCは大事よね。ほらブルーローズ、あんたも食べなさいよ」
「……はあ。結局こうなっちゃうのね」
「どうした?ブルーローズ。これでも食べて元気出せよ」
「あ、ありがと……ん!美味しい」
「腹が減ったら出る元気も出ないからな。それでもダメなら俺がいつでも相談に乗るぞ」
「……鈍感。でもそこが良いトコでもあるけど」
「ん?今俺、褒められた?」
「――褒めてない!!」
【蛇足のようなその後】
END