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□君とつながる
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「カスミ!久しぶり!」
「サトシ?どうしたの、サトシが電話してくるなんて珍しいじゃない!」
「今日釣りした時に、カスミのルアーを使ったんで、たまにはこっちから連絡してみようかと思ってさ」
「釣り?!で!で!イッシュ地方の水ポケモン!!どうだった?」
・・・・・
「……という訳でさ、もうちょっとの所で逃げられちゃったんだよ」
「あーらら、サトシは相変わらずツメが甘いんだから」
「そうなんだよなぁ、ホント後ちょっとだったのになぁ〜」
「……」
「ん?おーい!カスミ?」
「あ、ゴメンゴメン、聞いてる聞いてる」
「どうしたんだ?」
「え?んーーちょっと前のサトシだったら、さっき私が言った事にムキになってたかなぁって思ってたんだけど」
「さっきのって、ツメが甘いってヤツか?」
「うん」
「まぁ、実際ツメが甘かったのは確かだったし、言われても仕方ないもんな」
「へえー、『サートシ君』も随分大人になったわね〜」
「アイリスにはいつも『子どもねー』って言われてるけどな」
「アイリス?」
「オレが今旅をしてる仲間なんだ。アイリスともう一人、ポケモンソムリエのデントも一緒に旅してる」
「じゃあ、また三人なんだ」
「ああ!毎日賑やかで、見たことのないポケモンがあちこちにいてさ」
「そっかあ……」
「カスミ!」
「?」
「カスミにも見せたいからさ、いつかまた、カスミも一緒に旅しような」
「サトシ……」
「へへっ」
「――今日は電話ありがと!すっごく嬉しかった。そうだ!また私のルアー使ってよね!」
「ああ!その時はまた連絡する」
「ホント〜?」
「なんだよ、疑ってんのか?」
「あははは、冗談よ。楽しみにしてる。また今度――」
いつかまた、きっと――
『君とつながる』終