ZELDA.

素直な気持ちに
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「絵里。その荷物持つよ」



『いいわよっ!これくらい自分で持てる』



言って後悔。
何で私ってこんなに素直じゃないんだろう…。




「いいから、ほらっ」


リンクは素早く私の手から荷物を取る。


一瞬触れた手の一部が、私を熱くさせる。



「こーいうのは、男に任せるもんだって!!」


『……ん』




"ありがとう"




その一言を言うのも恥ずかしい。


私はふぅ、とため息をしてリンクを見ると、
リンクは目を見開いていた。



「って、絵里、顔真っ赤!!」


『えっ??』


手を額に当ててみると、とても熱かった。

きっとリンクのことを考えすぎて赤くなってしまったのだろう。




「大丈夫!?熱でもあるんじゃない??」



リンクの手が私の額やおでこに触れる。

そんなことされると、もっと大変な事になる…!!


反射的に私はリンクの手を払った。



『だ、大丈夫だから!!リンクには関係ないでしょ』



「……なんでだよ…」



ボソッと聞こえ、私はリンクに視線を向けた。

そしたら、私と同じくらい真っ赤なリンクと目が合う。




「好きな女のこと心配しちゃダメなのかよ……。」



少し拗ねた口調でリンクは私から視線を逸らした。


好き、って??
リンクが私を??


そんな事言われたら、自惚れちゃうじゃんか。


「ごめんね、」


こちらに背を向けて行こうとしてるリンクに、私は焦ってすぐに口を開いた。



『ごめんっ!!私、ホントは心配されて嬉しかった…。
でも、素直に言えなくて……』



言いながら涙が込み上げる。
私って可愛げがないなって痛切してきて…




『ごめんね、リンク…
私も、リンクが、好きなの…』


震える声で精一杯思いを伝える。


涙を指でこすり、顔を上げると私の唇は何かによって塞がれた。



『ふえ……、リンク…??』



「本当に、素直じゃないんだから」



それは、紛れもないキスだ。




『リンク…、大好き…!』


「どんな絵里でも、俺は好きだから」






素直な気持ちに
(大好きな君に少しでも素直になりたい)











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