ZELDA.
□嫉妬心はじわじわと
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さっきから絵里はニコニコと話してる。
ファドやらモイさんやらシャッドやら……
なんでシャッドがトアル村に来てるのかは謎だけど。
俺以外と話して…ムカつく。
絵里とは恋人って訳じゃないけど、一番仲良いのは俺なんだからっ!
「絵里っ俺たちと遊ぼー」
『ごめんね、今みんなでお話してるの』
「えー、遊ぼうよ」
絵里の腕を無理やり引っ張るタロとコリン。
やばいな俺、子供にまでイライラしてる。
ちょっと情けない…。
「ダメダメ、今絵里は俺たちと話してるんだから」
ファドがそう言うとそうそう、と他の２人も頷いている。
俺より情けない気が……。
『えっと、じゃあ後で遊ぼうよ??』
「えー、今がいい!!」
絵里の顔は、困り果てた笑顔に変わっていった。
「ちょ、」
遠くにいた俺は、すぐに絵里の元へ行き手を引っ張って逃げた。
「おいっ!な、リンクーー!!」
後ろからは沢山の野次が聞こえてくるが、なりふり構わず全力疾走する。
『はぁ、リンク…リンク!!』
ハッと我に返り足を止める。
『どうしたの??急に…??』
はぁっとため息を尽きながら、俺を見る。
「……優しすぎるんだよ、」
『え…??』
「いろんな人に笑顔向けて、ムカつくし…、
もう、なんかイライラする」
一度話し始めたら止まらない。
どんどん自分勝手な発言をしていく俺。
『……何それ』
「絵里??」
『それ、嫉妬??』
「え、……そう、かも」
言われてみれば、たしかに。
納得すると、自分が格好悪く思えてきた。
『…リンク』
名前を呼ばれて視線を向けると、彼女は恥ずかしそうに俯いている。
『……期待、しちゃうよ…??』
「え……??」
『私、期待しちゃうよ。
私たち…、両想いだって……』
"両想い"
嘘、信じられない。
俺の顔がだんだん赤くなるのがわかる。
恥ずかしそうにする絵里を見て、事実なんだと理解した。
「期待していいよ。
俺、絵里の事好きだから…」
絵里をぎゅっと抱きしめる。
彼女は耳まで真っ赤にさせながらも、俺の背中に腕を回してきた。
「あいつらと、もう話すなよ??」
『それは無理でしょ…』
「…っ!!なんで!!」
嫉妬心はじわじわと
(破裂しそうだけど、じわじわと跡形もなく消えていく)
→おまけ