ZELDA.

幸せの定義
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誰かが俺を呼んでいる。

聞き取りにくい…でも、知っている声。




「……ク…」




大切な、大切な人。
…誰、だっけ??




「……リ…ンク…!!」




わかった、絵里だ。



俺ってバカだ…大好きな絵里のこと忘れちゃうなんて。




起きなきゃ。



自力で目をふんばると、少し瞼が動いてくれて
ゆっくり開いていく。






「…っリンク!!」




『絵里……俺…どうしたの??』




「リンク…っ…」



絵里が泣いてる。…なんで??

抱きしめようと立ち上がるが、一気に足に痛みが走る。


『いってぇー!!
…なんで泣いてんの??絵里、』



「……リンクのバカっ!!」



『えぇっ!?』



「っ……覚えてっ…ないの??」



『覚えて……??』



「わ…わたしを…っかばう……からっ」



何のことを言ってんだ??





あっそういえば…、



絵里と出掛けてる途中に、
モンスターが武器持って絵里を倒そうとしてたんだ。



俺は離れた場所にいたからとっさに絵里をかばうことしかできなくて……。





『絵里…』



「足ケガして、10針も縫ったんだよ!?



…ごめんね、私のせいで…っ」



絵里は泣きながら俺を抱きしめてきた。


その手は少し震えていて、とても愛しく感じた。




「もう…こんなムチャしないで…!!」



『ごめん…』



ごめん、絵里。



俺はこれからもムチャをすると思う。


絵里を守るためなら、いくらでも…




「…リンク??」



『俺、全然平気だよ
絵里のこと守れたし、なによりよかったよ…』



「ふふ…バカ、」




絵里が笑ってくれた。


少しだけ安心して、
絵里を包み込むように優しく抱きしめて返す。



好きすぎて、おかしくなりそう。




『絵里…一生、守るよ』



「ありがと…//」







幸せの定義




それは、キミを一生守り抜くこともあるんだよ。



だから、おじいちゃんおばあちゃんになっても


大好きだから、よろしくね。




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