Digimon.
□大切なことば
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授業が終わるとすぐにお礼を言った。
口パクでだけれど、ありがとうと伝えた。
『べつに……//』
絵里は真っ赤な顔をしながら教室を出て行ってしまった。
なんでそんな顔をするんだ?
俺は期待してもいいのか?
気づけば俺は絵里を追いかけていった。
すぐに彼女の手首を掴み、引き止める。
絵里はまだ真っ赤にした顔をこちらに向け、目をまん丸くさせていた。
『どうしたの…?私のこと嫌いなくせに……』
ボソッと聞こえた声に俺は胸を痛めた。
そして一気に口を開いて言葉を出そうとする。
(あの時は本当にごめん!俺もガキで、あんな態度とって!)
『ヤマト?』
ーっ、言いたいことが全然伝わらない。
「………きっ……!」
『……え?』
「だ……い、ーっす……き…」
俺は一つ一つ言葉を言うと、絵里はすごく優しい表情で頷く。
『うん、うん……だいすきっ!』
俺の視界は君でいっぱいになった。
俺も彼女に応えるように、優しく愛おしく抱きしめる。
大切なことば
(照れくさいけど素直に言ってみるよ)