Digimon.
□恋の始まり
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今日の電車は珍しく座れた。
眩しい朝日が目を攻撃し、思いきり目を瞑る。
電車は何事もなく、ガタンゴトン、と小さく揺れる。
「ふあ〜、ねみぃー…」
『これから朝練なのに何言ってるのよ!』
「仕方ねえだろー!絵里は朝っぱらから元気すぎんだよ!」
『太一が弱々しいだけよっ!』
サッカー部の太一は朝練、私は日直。
好きな人と朝から一緒なんてラッキー!
……なんて、実際はすっごく眠くて辛いが、やっぱり嬉しいかも。
ふぁ、と私も小さくあくびをした。
「なんだよ、絵里も眠いのかよ」
『そんなんじゃない!太一のあくびが移ったのよ!』
『ったく、何強がってんだよ!』
今の言葉に反論しようとしたら、後ろから太一の手が私の肩を抱き寄せた。
つまり、私は太一の肩に寄りかかっている。
「寝てもいいぞ、まだ電車長いし」
『ちょっ…//だからってこんな事しなくても!』
「だって…す、好きだからこれくらいは許せよ」
私の頭に顎をのせて言う太一に、心臓はドキドキではなくバクバク状態だ。
「これからもさ、朝早いけど一緒に学校行かないか?」
『え……?』
「つまりさ……その、付き合わない?」
『………嘘』
「嘘って……そんな訳ねえだろ」
『だって両想いだなんて……嬉しい…!』
太一はクスッと笑ってから優しい手で頭を撫でて、軽いキスを一つしてくれた。
恋の始まり
(周囲の視線が痛い事は、気にしないで馴れないと、ね?)
あとがき
ゆは様リクエストでした!
ずっとお待たせして申し訳ありませんでした。
何かありましたら連絡お願いします!
2012.03.24
美紗