Digimon.
□この病の特効薬
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『絵里、お前顔色悪くない??』
「え…そう??」
『体調、悪いだろ??』
言われてみれば、たしかに。
朝は食欲なかったし、なんとなくだるい…
「大丈夫、だよ…」
『何言ってんだよ、早退しなきゃダメだろ』
「早退なん、か…!!」
言いかけた突然、太一の顔がドアップにあった。
太一の額を私の額にぴったりとくっつけて、そのままの状態が続いた。
『やっぱり!!熱がある』
保健室行くぞって
私の手を引っ張っていく太一。
そんなことするからもっと熱が出たんだよ〜!//
と、心の中で必死に叫ぶ。
『先生…、いないのか??』
ガラガラとドアを開けるが、誰もいない。
『とりあえず、寝とけよ』
「ん…」
いわれるがまま、私はベッドに腰をかけて横になる。
あ〜、頭痛い。
熱いのか、寒いのか…わからなくなっちゃった。
『大丈夫か??』
太一の手が私のおでこを触れる。
「あ…ありがとー」
ちょうど良い冷たさで気持ちい…。
『絵里、熱が早く治る方法、知ってる??』
「え、なに……??」
『こーすんの』
その瞬間、唇に温かい感触。
キス、されたの??
頭の中がテンパってて理解できない。
「そんなことしたら……うつっちゃうよ…」
そんな言葉が最初に出てきた。
太一も意外なことが返ってきたから、目を丸くしている。
でも、本当にうつったら困るし。
『いいよ、別に』
ニヤっと口角を上げると、軽いキスをした。
何度も、何度も。
全身がおかしくなりそう。
熱さらに上がっちゃう…
この病の特効薬
(…本当に、うつっちゃうよ??)
(そしたら絵里が看病してよ)